旅と鉄道の美学

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【切符系】 逆使用を前提としている連続乗車券(鳳来寺山湯谷温泉郷観光乗車券)

 連続乗車券の逆使用の活用例として以前に記事にしたところですが、このたび面白い硬券に出会いました。

www.estoppel.jp

 

 こちらです。

 観光用の割引乗車券ですが、連続の文字があるように連続乗車券の形態で作成されています。

 

 よくみると、通常の連続乗車券とは様相が違うことに気づきます。空欄に岡崎あたりの駅名が補充され、どこにでもある連続乗車券と考えると、連続1:鳳来寺→岡崎(青矢印)、連続2:岡崎→湯谷(赤矢印)という、地元の人でも買わないような乗車券になります。私なら買いますけどね。

 そうではなくて、これは岡崎とか名古屋に住んでいる人が鳳来寺山湯谷温泉に観光に行くのを想定している乗車券なんですね。11月のもみじ祭りは大人気ですから。

 

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 ということは、逆使用を前提とした連続乗車券なんですよ。上図だと、赤矢印でいって、途中はバスか徒歩で移動して、青矢印のルートで帰ってくる形です。

 

 ちなみに逆使用がなぜ問題視されるかというと、下記の営業規則の規定です。赤色だけ読んでください。「券面に表示された発着の順序」に違反すると、無効になると読めるから、連続乗車券も順路通り使用しないと無効に思えるからです。しかし、連続乗車券は、それぞれの券片でその順序を守ることだけです。

 今回取り上げた硬券からは、昭和30年代にすでにその解釈で統一されていたことがわかる貴重な乗車券なのです。

 

(定期乗車券以外の乗車券が無効となる場合)
第167条
定期乗車券以外の乗車券は、次の各号の1に該当する場合は、その全券片を無効として回収する。
(1)使用資格者を限定して発売した割引の乗車券を当該使用資格者以外の者が使用したとき。
(2)券面表示事項が不明となった乗車券を使用したとき。
(3)第25条第1項の規定により無効となる旅客運賃割引証で購入した乗車券を使用したとき。
(4)資格等を偽って発行された各種割引証又は証明書で購入した乗車券を使用したとき。
(5)券面表示事項(途中下車印を含む。)を、ぬり消し、又は改変して使用したとき。
(6)区間の連続していない2枚以上の普通乗車券若しくは普通回数乗車券又は普通乗車券と普通回数乗車券とを使用して、その各券面に表示された区間区間との間を乗車したとき。
(7)旅行開始後の乗車券を他人から譲り受けて使用したとき。
(8)証明書等の携帯を必要とする乗車券を使用する旅客が、これを携帯していないとき。
(9)有効期間を経過した乗車券を使用したとき。ただし、第155条に規定する場合を除く。
(10)係員の承諾を得ないで、乗車券の券面に表示された区間外の区間を乗車したとき。
(11)大人が小児用の乗車券を使用したとき。ただし、第152条第1項に規定する場合を除く。
(12)乗車する列車を指定した乗車券で、指定以外の列車に乗車したとき。
(13)乗車券をその券面に表示された発着の順序に違反して使用したとき。
(14)その他乗車券を不正乗車の手段として使用したとき。
2
前項の規定は、偽造(擬装を含む。以下同じ。)した乗車券を使用して乗車した場合に準用する。

 

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