鉄ヲタならこんな粗相はないと思いますが。
東京→(新幹線・函館本線・石勝線)→新得→(根室本線)→富良野→(富良野線)→(宗谷本線)→稚内で、新得・富良野間廃止前に乗っておこうという計画で、廃止に間にあわなかった場合を想定します。
1 区間変更
区間変更には形態別に、乗り越し、経路変更、方向変更に分かれます。この用語は昔の言い方ですが、運用上は、いまでも三種で使い分けています。
乗り越しは、一番、利用されている形態で、もともと持っている乗車券(原券)を、さらにその先に乗り越す場合ですね。100キロまでの乗車券や大都市近郊間内相互間の乗車券が原券なら乗り越しても発駅から計算されて(いわゆる「発駅計算」)、差額を支払うだけなので、支払うトータルの運賃は変わりません。
方向変更は、着駅の変更です。
しかし、今回の場合は、途中を別ルートにするという経路変更の形態です。しかも、原券は100キロには収まっていない乗車券なので、変更開始駅から積算します(いわゆる「打切計算」)。そして、また当初のルートに戻るので、戻る駅までを比較します。
(1)追分・旭川間変更
予定していた経路より安くなりますが、返金されません。
予定していた経路より7370円高いので、追加で支払う必要があります。
(3)乗車券を手元に残したい
今回は原券に未使用区間が残っているので、戻してくれる可能性が高いと思います(基準規程263条)。詳しくはリンク参照。
2 無手数料払い戻し
こちらは使用開始前、使用開始後ともに関係なく、無手数料払い戻し可能です。ただし、乗車した区間は戻ってきません。また、任意の払い戻しは、100キロを超えた距離が残ってないとできませんが(旅規274条)、今回は廃止路線に伴うものなので、残りの距離は関係ありません。
では、この処置は営業規則のどこに準拠しているのでしょうか。ずばりの規定はありません。国鉄時代から通達で処理しています。ただ、強いて言えば、282条に定める運行不能の規定のうちから払い戻しだけを類推適用しているといえます。
3 バスで移動
新得・富良野間をバスで移動する方法もありです。この場合、払い戻しはできませんが、残っている富良野から稚内まで引き続き乗車券を使用することは可能です。
4 実務上の運用
JR北海道に正式に確認しました。区間変更と無手数料払い戻しの両方を取り扱っているそうです。他の会社で行う場合は、払い戻ししかやってもらえないかもしれません。
今回の廃止をもって、最長片道きっぷのルートが大きく変わります。長年、慣れ親しんだ稚内駅、西九州新幹線で沸き立った新大村駅ともお別れです。今後は竹松駅と長万部駅が注目されることになります。
なお、JR北海道では補充券を回収しますので、最後まで使うと、手元に残りません。