中央線と飯田線をバスで横断するルートは2か所あります。今年は運休になってしまった木曽福島⇔伊那市(JRバス関東)と本記事の高速バスです。まず旅のルートからみておきます。
今回、実家に帰ってきたのですが、相変わらずまともなルートで帰るのが苦手な私です。未成線の中津川線(下記参照)を偲びながら中央自動車道を通る高速バスで移動してみたわけです。
この区間は中学生のときに、馬籠→飯田駅前と移動したのですが、中津川からの路線バスが馬籠のバス停から結構離れた場所にあって、夏の暑い中、道に迷って苦労した記憶が残っています。
【中津川駅前→神坂小中学校前→高速馬籠の移動】
高速バスの停留所は神坂PAの中にあります。一番近い一般路線の停留所は神坂小中学校前(北恵那交通)で、中津川駅からここをとって馬籠までバスが結構な本数出ています。なので、いったん馬籠までいって遊んでから、高速バスに乗るのもありでしょう。
【恵那駅→高速恵那バス停の移動】
さて、高速バスのバス停と中央線が一番近いところを探ってみると、恵那駅です。
1.2キロなので、徒歩移動にはちょうど良い距離です。今回はこちらでのチャレンジです。
ちなみにこの区間には、伊那市や駒ヶ根に向かう伊那バスも走っていますが、伊那バスターミナルまでいかないと飯田線と離れていますし、中央線側も離れていますので、気軽に乗り換えるには本記事で扱っている名鉄バス・信南交通の共同運行便で、恵那で乗りかえることになってくるのです。
さらに難関があります。恵那にとまるバスが1日1便。そうなると、これに向けて行程を組むしかありません。ちなみにこの便は、名古屋駅横の名鉄バスセンターを13:00発なので、特急しなのと同じ発車時刻、特急で恵那まで行って、暑い中駅からバス停まで移動して同じ時間に名古屋を出た高速バスに乗り換えるという実にバカバカしい旅となります。素人にはお勧めしません。私のようにアホな旅師むけです。
いちおう比較しておきます。
【高速バスでそのまま行った場合】
名古屋駅名鉄バスセンター13:00→飯田駅前15:18 2600円
【恵那で特急から高速バスに乗り換える場合】
名古屋13:00→恵那13:42 乗車券1170円+自由席特急券1200円=2370円
恵那14:10→飯田駅前15:18 1400円
特急「しなの」を使わなければ、30円だけ恵那乗換が安いですね。特急を使うと、1170円も余計にかかります。
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前置きが長くなりましたが、乗りレポに入っていきます。
もう何回もきている恵那駅です。ここから明智鉄道が分岐しています。駅を出たら右に曲がってください。
おっと、ここで注意点。昼飯は駅付近で食べてから行ってくださいね。途中に食べ物屋はありません。弁当を買ってバス停で食べる方法もありますが、夏や冬はお勧めしません。待合室はありますが、夏は暑いですし、冬は寒いです。
※インターの入口を過ぎたところに中華料理屋がいちおうあります。
線路沿いにしばらく歩き、高速道路の案内板が出たら右へまわります。ただ、脇道もあるので、そちらの方が日陰が多いでしょう。
右にまわったら中央線をくぐります。
上がると、目の前に中央自動車道が見えるので、すぐわかると思います。
いったんこちらの地下道を通ります。
上がったら、この小道を左へ。
インターの中に入っていくと、バス停が現れます。
これは暑いです。裏側に高速隊の分駐所の駐車場があり、ちょうど木陰になっているので、そこで待つのがお勧めです。
分駐所の前を通って少し行くとトイレがありますが、暑そうですね。ここまで来たら、バスのトイレを使った方が快適でしょう。
名古屋⇔飯田、名古屋⇔新宿のバスが停まります。
名古屋⇔飯田が1往復、新宿行1本、名古屋行2本です。飯田の便は完全に昼神温泉用ですね。
乗車券はこちらです。名鉄のバスセンターでも購入できるのですが、わざわざ買いに行くほどでもないので、コンビニで払いました。名鉄バスセンターなら、たのめば補充券で出してくれるかもしれません。
5分遅れでやってきました。私が小さいころからなじんでいる信南交通のいつものデザインですね。
乗客は4名です。昼神温泉で降りた温泉女子1名、伊賀良で降りた帰省の女子大学生らしき1名、飯田駅前で降りた出張ビジネスマン1名、そして俺様。
最後尾にトイレあります。
足置きとコンセントあります。ですが、足置きの高さ調整ができないので、女性には少し遠いかもしれません。
車内を観察している間に馬籠に到着です。中学生の夏はここから乗車しました。
この便は、他の便とは違って、園原インターで高速を降りたら、終点まで下道を走ります。なので、名鉄バスではなく、地元の道になれている信南交通が担当するのだと思います。
ここからはしばらく山道が続きますので、車酔いのある方は若干きついと思います。
こつ然とビル群が林立している谷が出現します。このあたりは昼神温泉郷ですね。全国の温泉地がさびれている中、この温泉地はなんか活気がありますね。バブル時代の温泉地のような雰囲気です。
でも、平日だけあって降りたのは1名でした。
少し行くと伊那盆地な雰囲気になります。中央自動車道の場合は、恵那山トンネルを抜けてしばらく行くと、急に開けた雰囲気になりますが、あれほどの壮観さはないですけど、伊那独特の雰囲気が感じられます。三河出身の私からすると、うらやましい景色です。
伊賀良です。飯田インターのすぐ近くにあり、ちょっとしたバスターミナルになっています。
飯田線切石駅の横を抜けて坂を上がっていきます。この坂をみると、下山村ダッシュ(下記参照)が分かると思います。
ということで、飯田駅前に到着です。
となりに出札がありましたので、さっそく寄ってみました。
手売り乗車券はこちらの回数券と最低金額2000円の金券セットです。普通乗車券はありません。あとは機械発券の高速バスの乗車券ぐらいでした。
ひさびさの飯田駅です。よく考えたら、前回は大学生のときに伊那から新宿まで京王バスにのって東京に戻る時なので20年以上来ていません。
なお、飯田駅前の到着が15:16で、15:58(15:30ぐらい入線)に豊橋行の特急伊那路がでるので、そのあとは天竜峡温泉や平岡駅の竜泉閣(ホテル)、秘境駅などを訪れるのがお勧めです。
おまけ・・・中央道開通前(おんたけ交通)
中央自動車道が無い時代は、南木曽駅と飯田駅の間をおんたけ交通のバスが山の中をせっせと走っていました。1974年時刻表で見てみましょう。
1日1本、2時間20分もかかります。
おまけ・・・いいなかライナー
私の乗りたかったバスです。かつては中津川線を辿るようなバス路線がありました。JRバスで運行していた「いいなかライナー」です。飯田の「いい」と中津川の「なか」ということです。
当時の時刻表です。
中津川駅から飯田駅という未成線マニアが乗りたくなるルートですよね。しかし、ここまで読んだ方は分かると思いますが、この区間だけで需要はそれほどなかったので、2004年に廃止になっています。確かにそうですよね。中央線方面から飯田線方面に行く需要は、ほとんどが名古屋近辺からなので、特急料金を支払って中津川で乗り換えるぐらいなら、名古屋から直通で行きたいでしょうし。逆に飯田線側からも、中津川で乗り換えるなら、名古屋まで直通で行きたいでしょうし。
一度乗りたいなとおもっていましたが、廃止になってしまって残念です。