今回、最長連続きっぷの旅でじっくりと観察してみたのですが(だいぶ寝てましたが)、やはり飯田線の車掌の忙しさは群を抜いています。あれでは太る暇もないですわ。佐川急便のドライバー並みに終始走っている。さらに走行中も車内を歩いているので、佐川より運動量が多いかも。
私が小中高生の時代より無人駅が増えているので、忙しさは更に増しているように思います。
ということで、謎を探ってまいりましょう。
●無人駅が多い
現在、有人駅は、牛久保、豊川、東新町(簡易委託)、新城、本長篠(簡易委託)、中部天竜、天竜峡、飯田、伊那大島(簡易委託)、飯島駅(簡易委託)、駒ヶ根(簡易委託)、伊那市、伊那松島(簡易委託)と13駅しかありません※市田追加(コメントにて指摘有)。
85%が無人駅となります。
車掌は、上記の簡易委託駅と無人駅で乗車した乗客をチェックして、こまめに乗車券を発売し、集札をしています。
さらに本長篠を過ぎたぐらいと(豊橋運輸区)、伊那大島を過ぎたぐらい(伊那松島運輸区)で検札を必ず実施しますので、その時間も必要です。
●駅間距離が短い
これは時刻表を見てもらうとよくわかります。
もともと私鉄なので、地元の要望に応えて多くの駅が造られています。上の中央本線と比べると歴然としています。なので、車掌さんは、都度、発車合図を出さないとならず、乗務員室に戻っています。
豊橋を10:42に出て、辰野に17:20に着く519Mを見てみますと、6時間38分かかっていますので、駅間の93で割ると、4.27分です。
一区間で4.27ですよ。昔はこれで6両ありましたからね。
●出口がバラバラ
国鉄のローカル線はタブレットの交換がしやすいようにこういった配置にすることが多かったようですが、飯田線は両数が多く、そうもいきませんでした。もともと90%が有人駅の想定で造られているので、出口や駅構造もバラバラです。
例えば、これは独特な駅舎で有名な東栄駅です。
一番豊橋寄りに出口がありますね。手前の池場は真ん中ぐらいで、その手前の三河川合は辰野よりに出口があります。
なので、駅に着くたびに車掌は出口付近に移動しなければなりません。
飯田線はJRになってかなり早くにドア扱いを運転士が行うようになりましたが、これが主たる理由と聞いています。物理的に駅到着前に乗務員室に戻れないんです。
国鉄時代は2名乗務もありました。夏などのシーズンになると、普通なのに165系で、車掌長、専務車掌、車掌と3名乗務なので、これは急行か?と思うほどでした。
いまでも駒ヶ根ぐらいから2名乗務のときがあります。
●IC利用が豊川まで
近年はこれが一番大きいでしょう。豊橋をでるときに、うるさいぐらい放送がなされます。ICは豊川までしか使えないので、乗っているうちに車掌に申告せいと。
下車時に申告されると、書類作成で数十秒の時間を使ってしまうからですね。
●こまめな利用が多い
大きな駅で大量に乗り降りするというより、こまめに拾って、こまめに降ろしている感じがありますね。
●名鉄からの乗り越しが多い
これはデカいです。なんせ豊橋駅が隣のホームで階段を使わなくても乗り換えられるので、名鉄の乗車券をもって乗ってくるのです。むかしから乗換専用改札がなくて、JR用の乗車券もホームで売ってないので、みんなそのまま飯田線に乗ってきます。
ICが普及する前はすごかったですよ。豊橋を出ると、名鉄の乗車券で飯田線への乗り越しだらけ。
●観光客が多い
これは以前に比べては減っていますが、最近はハイキング目的の方が増えていますので、少し持ち直している感触はありますね。私が中学生ぐらいのときはひどかったですね。都会から来た方が、着駅で精算すればいいと思って降りたら無人駅なので、ホームで精算しているうちに10分とか遅れていく。
ざっと、飯田線の車掌の忙しさを考察してみました。乗った際は観察してみてください。JR四国の車掌の忙しさは有名ですが、飯田線の方が上を行くと思います。
私は小学生から見ていますが、ず~っと忙しいですよ。