旅と鉄道の美学

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【営業規則系】 社線通過連絡で連続乗車券を作れるのか。最長片道 改め最長連続きっぷの旅

 最長連続きっぷの旅で争点となったのが、この問題です。

 通常、最長片道や最長往復にする場合は、IGRいわて銀河鉄道を経由する形の通過連絡乗車券を作成します。しかし、IGRは規則上、連続乗車券に対応していませんので、私はBRTを経由する連続乗車券にしました

 この点を解き明かしてまいります。

 

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 まずは二つの乗車券を見比べてください。

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 こちらは伊勢鉄道を通過する連続乗車券。

 

 こちらはIRいしかわとあいの風を通過する片道乗車券です。

 当初、上と同じように大阪市内から氷見までの乗車券も連続に組み込んで購入しようとしましたが、マルスに弾かれました。

 これは伊勢鉄道は連続に対応していても、IRいしかわとあいの風とやまを通過する場合は、連続に対応してないため、発行できないからです。

 おおむね国鉄時代から連絡運輸として協定している鉄道会社については連続が認められています。例えば次の記事にあるように、伊豆急行には、国鉄連絡の連続乗車券の常備券がありました。

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 では、具体的に規則の中身に入っていきます。

 基準となるのは、JRと私鉄(社線といいます)の協定で成り立っている「旅客連絡運輸規則」です。

 

旅客連絡運輸規則
第 14 条 乗車券類を発売する範囲は、別表に定めるとおりとする。

 

 14条にはこれしかありませんので、別表を見てみます。

 これは伊勢鉄道の別表です。「乗車券類の種別」のところを見ると、「片、往、続、勤定、学定、団」とあります。これは、河原田、津ともに接続する場合の乗車券は、片道、往復、連続、通勤定期、通学定期、団体の発売が可能なことを示します。

 

 そして、規程別表(現在は「規程細則」という場合もあり。)をみると、次のようにあります。

 (1)はJRと伊勢鉄道線の連絡乗車券の発売できる区間を示します。
 (2)はJRの駅同士の発着で、伊勢鉄道を通過する場合の発売区間を示します。JR6社すべてが記載されていますので、全国のJRのどの駅からどの駅であっても、伊勢鉄道を経由する乗車券を発売することができることを示します。

 ※現在、この規定は変更になっており、伊勢鉄道から東京などと、もっと幅広い範囲で認められています。鈴鹿サーキットまで往復する方が多いからです。

 

 したがって、「続」が明記されていない社線については連続乗車券が発売できないのです。

 

 これに引っかかったため、最長片道乗車券や最長往復乗車券で活用される盛岡⇔好摩間(IGRいわて銀河鉄道)を連続乗車券のルートとすることができなかったのです。

 したがって、現在の最長連続乗車券は、気仙沼線BRT経由で作成することになるのです。

 なお、当初は気仙沼線BRT区間と、連続への組み入れが可能な京都丹後鉄道の福知山⇔豊岡を経由することを予定していましたが、ひとつ前の記事の通り、BRTと社線をダブルで通過は認めてないため、あきらめました。この点で名古屋駅と先週から議論になっていて、焦っていたのです。

 BRTが鉄道事業の時代でしたら、このルートが最長連続乗車券でしたね。

 

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 さて、連絡運輸規則の14条には気になる注意書きがあります。

(注 1 ) 連続乗車券は、各区間ごとの発着駅が連絡運輸区域内にあり、かつ、連絡会社線区間については、規程別表に示されている連絡会社線旅客運賃に基づいて運賃計算ができる場合に限つて発売する。

 要件が二つあります。

 ①「各区間ごとの発着駅が連絡運輸区域内にあり」

 ②「規程別表に示されている連絡会社線旅客運賃に基づいて運賃計算ができる場合」

 これをもとにすると、JR⇔社線の連絡乗車券とは違って、通過連絡の場合は、規則別表に「続」の記載がなくても、連続乗車券が発売できることを前提としていそうです。

 

 これは最新のIRGいわて銀河鉄道の通過連絡のページです。

 上の方にある規則別表を見ると、盛岡、好摩とも接続駅としては片、往、勤定、学定、団、急=急行券(含む特急券)としか記載がないので、連続は除外されます。

 しかし、下の方の盛岡・好摩間の通過連絡規定からは対象の乗車券は読み取れませんので、やはり上記の注書きから想定すれば、連続乗車券を売れそうに読めます。

 

 ここで問題となるのが、上にある規則別表と下にある規程別表の関係です。前者が後者の上位規範と考えるのが普通ですが、接続駅別の連絡運輸範囲が通過連絡の場合にまで適用されるのかは、ちょっと疑問にも感じます。

 もともと前者のJR⇔社線の乗車券は、連続の需要がないような区間から、事務手続きの煩雑さから省いているだけなので、通過連絡は関係ないようにも思えます。そうかんがえると、「規則別表」に「続」が無くても、通過連連絡だけは連続を売れそうですが、JRの運用上、このような解釈はしていません。

 若干、釈然としない結論ですが、JRの現場はこれで統一されています。

 

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