旅と鉄道の美学

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【コラム】 細かすぎて伝わらない 「かぞくいろ」の鉄的視点(ネタバレなし)

 有村架純が演ずる主人公が列車の運転士になって行く過程を複雑な家族関係とともに描いた作品です。あらすじはこの辺にしておいて、鉄的に気になる点だけ挙げておきましょう。なかなか興味深かったですよ。

  

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 こちらは亡くなった旦那さんの実家の部屋です。さっそく鉄ヲタの部屋にありがちな時刻表や部品がならんでいます。

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 注目すべきは架純ちゃんのきれいな足。

 ではなくて、棚の上に載っているフライキ(旗)です。最近では赤旗ばかりですが、緑旗もありますね。父親が元機関士という設定なので、こういったマニアックなアイテムも引き立ちます。

 ちなみに緑旗は大宮駅ぐらいでしか使っていません。 

 

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 2段ベッドの天井に貼ってある特急「はやぶさ」の写真とキップの額縁です。キップの形がきちんと当時の物のようです。これが間違っていたら、マニアが速攻で指摘するでしょうし。 

 

  薩摩大川駅です。 

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  大川が舞台なので致し方ないですが、木造駅舎を使ってほしかったですね。まあ、これはこれで味がありますよ。注目してほしいのが、2F部分です。もともと駅務室になっていた部分を一部改造して待合室になっています。運転関係の係員が構内を見渡せるようになっていたのだと思います。

  

  出区点検。

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  こまかい動作が参考になります。というより、國村さんの動きが好きです。良い意味で俳優らしくないというか、本当に第3セクターにいそうな運転士の動きになっているんですよね。特に国鉄の機関士出身という愛想笑いすら苦手そうな雰囲気がぴったりです。

 

 

 次は入換信号機です。

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 「入換進行進路1番」と言っています。「入換信号機」が「進行」を現示していて、進路は「1番」にとられているということです。ここで「出発進行」と言っていたら、鉄ヲタから総つっこみを受けるはずです。出発信号機ではないですからね(「出発進行」は「出発信号機」が「進行」を現示しているという意味。)。

 上にある半円形の信号機と下の1灯式のライト(入換識別標識)がセットになっているので、入換信号機になります。

 左の点灯状態が「進行」で、右の点灯状態が「停止」でいいと思うのですが、、、なぜ右下の1個しか点いてないのか、ちょっと知識不足でわかりません。普通は上も点かないといけないんですが。ひょっとして球切れ?

 その下にある「1」が表示されているのは、進路表示機で、1番線に進路がとられていることを示します。

 ちなみに一番下の「2」は留置線2番を示します。

 

  こちらはオーバーランした列車です。

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  なんとも芸が細かいですよね。所定の停止位置に戻らない点はローカル線を感じさせます。昔の飯田線はこんな感じでしたよ。オーバーランしても、ホームにかかっていたら、そのまま扉を開けていました。

 

 連結風景です。

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 この中で、誘導の掛け声に注目してみましょう。「やわ~、とまれ、とまれ」といっていますよね。国鉄時代の資料をみると、模範的な言い方は「やわ、やわ~、とま~れ~、とまれ!」です。肥薩おれんじでは「やわ~」は1回しか言わないのかもしれません。意味は柔い感じで惰行してくれってことだと思います(ここは私の感想です)。

 

 最後は鹿との触車事故です。

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 まあ普通にCGですが、リアルに再現されています。本当の鹿を知っている私からすれば、逃げ足がちょっと早すぎなんですが、まあいいでしょう。この後、瀕死の鹿を軌道外に引き出す作業が待っています。

 

 ということで、マニアから見ても納得の仕上がりでした。 

 


かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-