いまやスイカをはじめIC全盛期ですが、やはり切符はエドモンソン式(下のサイズ)に限りますね。俗に硬券といわれるものです。
そんな硬券ですが、むかし駅員の仕事をやっている最中はどちらかというと嫌いでした。自動改札機に詰まってしまい、とるのに非常に苦労するからです。無理をしてたいてい指から血がにじんでくるのがオチです。場合によってはメーカーのサービスマンを呼ぶ必要まで出てきます。特に夕方のラッシュ時は窓口の精算が込み合っていて、改札機のエラー音が鳴り響き、お客からは早く来いと催促されると気持ちが焦ります。
そのような事情もあって、関東の私鉄はおおむね薄い切符に変化していきましたが、総武流山電鉄、伊豆箱根鉄道あたりは比較的あとまで残っていたようです。
さて、硬券を収納するケースも独特なものがあります。これは私の書斎に鎮座する乗車券箱ですが、興味がなければ邪魔な鉄くずでしかありません。東京の岩田製作所製で、現在のJR東日本・北海道エリアを中心に配備されていたもので、2番目の大きさです。一番大きなものは、小学生の時に中央本線の辰野駅で見たもので、その壮観さに感動したものです。
利用方法は以下の通りとなります。
類似品では、少し薄型のJR東海管内(当時の静岡と名古屋鉄道管理局)の物がありました。実物は天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅の資料室あるようです。
そのほかは券を積み上げる形のJR西日本・JR四国型(※)、重箱のような箱に入れるだけのJR九州型をよくみました。和歌山の紀州鉄道には回転式の非常に珍しいタイプがあったと思います。
※正確には現在のJR東海部分にあたる旧天王寺鉄道管理局管内にもあった。
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そんな乗車券箱ですが、まだまだ地方の鉄道にも残っているので、出かけた際はぜひ見てください。身近なところでは東京メトロと都営地下鉄の市ヶ谷駅乗換改札の精算所にありました。しかしこれはパーテーション代わりにしか使ってない様子。
こちらは鉄道博物館の資料ですが、少し小ぶりですね。
これは鉄道博物館のマルス端末の操作写真ですが、裏の乗車券箱の方が壮観ですね。300種以上あります。
これは関西方面で見られた積上げるタイプの乗車券箱です。いまでも信楽高原鐵道信楽駅、京都丹後鉄道(大江を除く有人駅)、若桜鉄道若桜駅で見ることができます。
これは相当古いですね。木製で積上げ型です(津山まなびの鉄道館)
回転式のものです(津山まなびの鉄道館)。右はC型券用(下記参照)でしょうね。
アップ写真です。下から積上げていきます。これは旧大社駅にも展示されています。
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最後に海外の乗車券箱をご覧ください。日本製が一番優れていることがわかると思います。
おまけ・・・道の駅の乗車券箱
一部の道の駅では記念きっぷを販売していますが、その収納ケースがまさに乗車券箱です。