旅と鉄道の美学

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【営業規則系】 入場券を発売していない無人駅には立ち入ってはいけない?(追加記事)

(2023.1.3補足)前注

 現在、JR東日本も入場券を発売してない無人駅は無料で入場できるという見解をとっています。

 

 JR東日本は、入場券を発売していない駅には入場不可というスタンスのようですね(もちろん乗車の目的での入場は可)。先日の記事の追加事項です。

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 これはこれで正しいと思います。

 歴史的には、駅への入場は駅長の特別な許可をもって行っていたところ、実情をかんがみて入場券制度ができたわけなので(前の記事参照)、

 

 入場券を発売しない=入場を認めてない

 

 と、考えることは正しいといえるでしょう。これは空港を見てもらったらわかると思います。保安検査より先に搭乗者以外が立ち入ることはできませんが、それと同じことです。

 

 それに、窓口営業時間は入場券を購入し、発売していない時間は入場を認めていないという考え方も正しいと思います。

 もともと安全上、治安維持上、入場券制度をもって入場者のコントロールをしているのですから、駅員がいない時間はそのような規制ができないため、入場不可とすることには合理的理由があります。また、そのような方針を掲げても、入場の可否を決めるのは鉄道会社なので、営業規則には反しないと考えます。つまり、JR東日本としては、国鉄時代から認められてきた無人駅への無償入場については、方針を転換して、入場を認めないとしたわけですね(入場券を発売していれば可)。

 

 他方で、JR東海は、無人駅には無償で入場可としているようです。一番、実情にそった答えですね。これも正しいですよね。

 

  ★  ★

 

 両者に共通する事項は、入場の許可は鉄道会社の裁量事項ということです。これは所有権に基づく施設の管理権限に起因します。

 しかし、JR九州のように、入場券を発売していないにもかかわらず、入場料金を現金で徴収するのは、営業規則を類推解釈しすぎており、認められないということになります。

 

 理論的な部分を図示するとこうなります。

 

 ちなみに、迷惑行為をしているような撮り鉄や酔っ払いなどは所有者の管理権限で退去勧告ができますし、ひどければ建造物侵入罪や不退去罪で検挙するようなことも可能になってきます。左翼運動が激しかったころに駅構内のビラ配りで逮捕されるような事案があったと思いますが、それと同じことです。

 

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