今回はこちらです。いわゆるカンテラです。夜にホームに立っている駅員さんを見ると、昼間は旗だったのに、夜はこのような電灯をもっているのが分かると思います。
向日町運転所の物で、だいぶ昔に手に入れました。下の台は充電器になっています。今はLEDに替わっているので、このタイプは地方私鉄でしか見ることができないと思います。国鉄時代で一番使われていたタイプで、単1電池2本で点きますので、非常用として1家1台あると便利ですね。
子供との電車ごっこにも使えます。
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では、機能を見てみましょう。
右の「主燈」が中心のメインランプで、「非常燈」は右上の小さな赤色が点灯します。どちらも1.5Vで点く懐中電灯と同じです。
日本の多くの駅では、メインの白色灯を車掌に向けて掲げて、扉締めの合図を出していることが多いと思います。私も駅員をやっていたときは、これを使っていました。なんか合図を出している感があって旗より好きでした。鉄道会社によって特有の出し方があるようですが、私は上下逆にして、車掌にわかりやすいように上下に動かしていました。
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さて、取っ手の下のレバーを左右に倒すと赤色と青色のプラ板がランプの前に登場し、それぞれの色に変わります。
内部からみるとこうなっています。
まずは赤色です。
そして青色です。
これらがの色が使われている場面はほとんど見ないと思います。どうしてかというと、昼の赤旗と緑旗と同じ役割で、出発指示を出せる特定の駅でしか用いられていないからです。上のように白色灯を掲げるのは戸閉合図なので、私のように資格がない駅員でも出すことができましたが、出発指示合図は輸送主任なり助役なりといった一定の資格者が職務についている場合になってきます。
いまでは貨物駅ぐらいでしか見られないのではないでしょうか。かなり絶滅危惧種の職務ですね。
しばらく前まで大宮駅で見られたのですが、無くなってしまいました。また一つ国鉄が消えていきましたね。わかりやすい動画がありましたので、引用しておきます。
いちおうこの動画の見どころを載せておきます。
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車掌が後ろを指差して「出発進行」(←たぶん)と言っていますね。
これは自分より後ろに出発信号機の代わりの出発反応標識があるので、指差しているのですね。
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輸送主任が車掌の前まで行って分かるように旗を振ります。
しっかり指さし確認しています。
3:25
こちらの方が分かりやすいですね。もはや儀式です。
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次に非常灯です。
右上の小さな赤ランプがつきます。昼間の赤旗を振った状態と同じで、緊急事態を知らせるために用います。これを出すと列車が止まります。
最後にいちおう中身の写真も挙げておきます。
充電式の昭和57年製のアルカリ電池が入っています。
ということで、1家に1台いかがでしょうか。3000円ぐらいで手に入りますよ。
台湾の合図灯は下記の記事を参照ください。また海外に行ったら、夜間の合図灯の出し方の写真を撮ってこようと思います。