国鉄時代は鉄道とバス(自動車線といいました。)、連絡船が一体となっていて、全て一連で発売できるシステムでしたが、JR化後、本州3社がバス事業を子会社化したのを皮切りに、北海道、四国、九州も子会社化し、全路線での一連発売は出来なくなりました。その後は一部のバス路線のみが対象となって、一連発売の乗車券は徐々に限定されて、現在に至ります。
よく知られていたのが、草津温泉駅ですね。ここは今でもみどりの窓口のある駅として有名ですが、以前は次の記事にあるようにJRバス→JR鉄道線への乗車券が普通に売られていました(現在は一連発売はせずにバラバラで同時に発行する形です。)。
では、今でも残っている路線は存在するのだろうか。もう西日本JRバスの2路線しかありません。全国をみてもここだけです。まあ、需要があるので残っているのでしょうが、乗り鉄にとっても、大きなメリットがあります。途中下車です。通常、大阪近郊区間内の乗車券は、101キロ以上あっても途中下車は出来ませんし、これは連絡乗車券でもできません。しかし、JRバスとの連絡乗車券で101キロ以上を確保すれば、2日間有効で途中下車ができてしまうのです。
大阪近郊区間は下記の通りで、今回、取り上げる路線では、近江今津、新大阪、大阪での接続が該当します。
(JTB時刻表より)
では、具体例を挙げながら見ていきましょう。まず、注意すべきことは、下記の路線はJR西日本との連絡運輸しか認めていないため、他のJRの路線にからむ連絡乗車券は発売できないことです。
●若江線(近江今津・小浜・上中接続)
小浜線の小浜からJRバスに乗って、近江今津から湖西線に乗り換えて大阪の大正に向かう乗車券です。鉄道区間は近郊区間に収まっていますが、2日間有効です。小浜か上中接続ですと、近郊区間は関係ありません。
詳しいルートは下記をご覧ください。
●中国高速線
2024.8.5 追記 中国高速線とJR鉄道線の連絡運輸は2024年3月で終了していますので、次に掲げた乗車券はもう購入できません。
中国自動車道を走っているJRバスと神姫バスの共同運行路線ですので、この乗車券で神姫バスも乗ることができます。
また、この路線では、単独のみならず、連絡運輸乗車券も学割を認められています(②の記事を参照)。
①大阪・新大阪接続
これは大阪接続の事例です。同じくJRの鉄道区間は近郊区間に収まっていますが、2日間有効で途中下車可能です。
なお、大阪や新大阪接続の場合は、宝塚インターを越えないと連絡乗車券の到着駅にできませんので、その先の西宮北インター以遠を購入し、鉄道線と併せて101キロ以上を確保することで、上のように途中下車可能な乗車券にできます(それでもバス区間では途中下車できません。)。
新大阪⇔西宮北インター間が870円なので、大阪近郊区間内で頻繁に途中下車を繰り返したり、途中で1泊する場合は、この区間を捨て区間とするのも利用価値があるかもしれません。ちなみに、連続乗車券は認められていませんので、連続にして更にプラス1日にするような技(下記参照)は使えません。
②津山接続
中国高速線の終点である津山です。ここからも接続可能です。ただ近郊区間は関係ありませんね。詳しいことは下記を参照ください。
(参考記事)