私の旅行回数は、ガキの頃から仕事での出張も含めると、相当な回数になるのですが、スーツケースは一度も使ったことがありません。使わず嫌いの感もありますが、機動力を重視するとこうなります。
ちなみにガキの頃はスポーツバッグで、大学生時代は黒のメッセンジャーズバッグでした。ニューヨークの自転車で配達するメッセンジャーのバッグで、業務用ってところが気に入ったからです。周りには、島耕作の学生時代にでてくるようなベルトで教科書を十字に束ねるタイプを使っている者が数人いましたが、教科書を大事にしないイメージがあって真似をしませんでした。たぶんあれは、「オレはこんな難しいことを学んでいるんだぜ」アピールのアイテムなのではないかと思います。80年代ぐらいまでの学生にありがちな、難しい言葉で話すとエリートだとか思っていたやつの残滓というか。月曜日は週刊ジャンプも一緒に挟めよって突っ込んでやりました。
ということで、旅師流旅行のバッグ講座入ります。
●背嚢型(はいのうがた)
この言い方だと、戦中を知っている年寄りか軍事マニアしかわからないでしょうね。要するにバックパックです。私が学生だった90年代後半はバックパッカーといわれる人たちが東南アジアを中心にはびこっていて、リュック形状のバッグに、どれだけ貧乏な旅をするかを自慢するような人種がいました。最近だと、新幹線で欧米系の人がこんなイメージで旅をしていますよね。
しかし、バックパックというのは、いかにもすぎて流行物に乗っている感満載なので、私は好きになれませんでした。バックパッカーに形から入ってるというか。本当に便利なのかと、3分程度問い詰めたかったですね。この先は下記参照で。
最近は下のようなオシャレ系も出てきていますが、形状から、どうしても軍事オタクが愛用しているバッグというイメージが先行してしまい、頭の片隅にダサさが残っています。
●3ウェイ型
下のでっかい方です。海外旅行は、20年近くこの形です。8年前に初代が壊れたので、これは2代目です。背負える、下げる、肩からつりさげるという3ウェイですが、最近はつりさげベルトは家においてます。バリバリ観光客でもない、バリバリ出張客でもなさそうで、ダサすぎず堅すぎず、落ち着きました。東南アジアでもヨーロッパでも、まわりの風景に同化し目立ちにくいことも評価対象ですね。わざわざ海外旅行でカモネギなスタイルをして、置き引きやぼったくりにあうのも嫌ですし。
サイズは機内に持ち込めるギリギリです。ここがミソです。荷物を預けると入国審査や税関で出遅れるので、いつもこれです。これより小さいとお土産をいれるスペースが確保できません。
なお、このタイプは頑丈さを重視すると、金額が高くなり(4~5万円程度)、重くもなります。1~2万円程度で肩のヒモの裁縫が頑丈そうな作りを選んでください。いちばんストレスがかかるのがここで、ある日突然切れます。
●ショルダーバッグ
上の写真の小さい方です。ウエストポーチにもなりますが、私は武士の旅でつかう網袋みたいにたすき掛けにします。用途は、ホテルに大きい方のバッグを置いて、1日程度出かけるときの外出用です。船や列車でトイレに行くときも持っていきます。トイレットペーパーをむき出しで車内を歩くのも、ウンコ行きますアピールをしているみたいで嫌ですし。基本的に入っているのはガイドブックのコピーと小銭、トイレットペーパー程度で、盗られても特に困るものは入れません。日本の場合はトイレに紙はあるので、手ぶらです。
何度も言いますが、海外旅行で命に次に大事なものはトイレットペーパーです。
ついでに言っておきますが、海外旅行で長財布使う人、すごいですよね。すってくれと言っているようなものです。たまに飛行機の座席に落ちているしw。海外旅行で持つのだったら二つ折りで少し膨らませてすられにくくし、ホールドアップで全額出させられても大丈夫な金額を入れる形ですね。
●ビジネスバッグ
(仕事用バッグの適性サイズ)
私が出張用に使用しているビジネスバッグです。前からグレーのバッグがほしかったところ、見つけたので、2つのサイズを購入しました。薄い方が近隣や1泊用、大きい方が2泊以上用です。
入っている物はこれだけです。
●薄い方:着替え1日分・書類・カメラ・本・スタンプノートww・タブレット
●厚い方:着替え2日分・その他は同上
着替えは、シャツを形状記憶シャツにして、洗濯を前提にすれば2日分で収まることが多いと思います。カメラは仕事兼用です。不動産系なので現場写真を撮らないといけないですし、そのほかの物はもっととらないいけないですし。
なお、2千円程度の現金をバッグの内ポケットあたりに入れておくと緊急時に役立ちますよ。財布を家に忘れて駅まで来てしまってもそのまま会社に行けますし。
(新書か文庫本を入れておこう)
地味なところで、新書か文庫本は持ち物として一押しです。私のやり方ですが、空港や駅で2冊購入して乗りこんで、乗っている間、一気に読みます。おおむね2時間1冊と決めてタイムトライアルです。読書の仕方は他に譲るとして、簡単に言うと、テーマを決めて重要なところを精読して、読み終わったら自分なりに要点を振り返って終わりです。関係ないところはじゃんじゃん飛ばします。これで案外、仕事に役立ちますよ。もちろん細部までは覚えてないので、必要になったときにもう一度引っ張り出しますが。あまり得る物がなかった本はきれいに持ち帰り古本屋行きです。
あるいは英単語帳や資格試験の問題集もいいでしょう。時間を決めてやるので集中できます。なお、資格試験の問題集を利用するときは、1問1答形式で解説が豊富なものがいいと思います。車内や機内という場所がら、大きく広げることができませんし、何となく時間に追われる勉強になるので、細切れでやれる方がいいからです。さらに、解説が充実している物を選ばないと、その場で疑問を解決し、深みのある理解ができなくなりますので、勉強が中途半端でおわります。
私の場合、東京から大阪の場合は次のようなスケジュールが定番になっています。
・東京→熱海:読書
・熱海→豊橋:仮眠
※いつも1号車に乗るので、少なくとも浜松を過ぎないと車販が来ない。
・岐阜羽島→京都:読書(名古屋で空くので、ここでトイレ行く)
・京都→新大阪:念のため仕事のスケジュールと書類確認
慣れてくると、起きた瞬間に走っている位置が直感でわかります。ってか、豊橋近辺で、おもいっきり地元の風景なので余裕です。
新幹線で仕事している人はすごいですよね。私は、仕事をするにしても半分が精いっぱいです。
(仕事用バッグの仕様)
バッグの選定基準は、自立して、中で書類がぐちゃってならないことです。名刺交換するときなどに床にバッグを置きますが、そのとき、さっと置けて倒れないことを重視しています。倒れそうなときは足に寄せます。
また大切な書類の角が丸まってしまっては失礼なので、B4タイプまで曲がらずに入る点も考慮しています。周りにワイヤーが入ってる物が良いでしょう。書類はクリアファイルに入れたらよいという意見もありますが、クリアファイル自体の角がカールしてしまい相手に良い印象を与えないでしょう。この点、会社ではオシャレモードでトートバッグ型を利用する営業もいますが、書類の角がぐちゃってなっていてあまり仕事のできる印象はありませんね。中身より外面重視みたいな。偏見ですけど、こういうヤツは掛け声は威勢が良くても納期を守らないか、書類の中身が雑な印象がありました。ガッツだけが取り柄の人です。
女性の営業さんのバックでありがちですが、中が思いっきり見えるのも考え物です。前に寄ってきた得意先の注文書や企画書が見えたりして大丈夫かよ!って突っ込みたくなることがあります。
選ぶときは、懐が大きい部分と小さい部分に分かれている物を選んでください。大きい部分に着替えを入れて、小さい部分に書類などの仕事用グッズを入れます。商談している最中にパンツが見えたらカッコ悪いですからね。
結局、商材をもってまわる方は致し方ないと思いますが、業種や職種によってはスーツケースはいらないと思うんですよね。私の場合は不動産系なので、入るのは、企画書や見積書、契約書ぐらいで、たまに図面が加わって重くなるぐらいです。皆様も考えてみたらいかがでしょうか。本当にその旅にスーツケースがいるのかと。癖で持ち歩いているだけちゃうんかいと。
ちなみに、心配性の人ほどバッグを持ちたがる心理なのだそうです。私などは、極力手ぶら主義で、通勤は手ぶらなので、基本的にテキトー人間ですね。
●風呂敷
これ、意外と盲点だと思います。現代で風呂敷を仕事で一番使っているのは、検事でしょう。大量の書類を持ち歩く必要があるうえ、片道だけで終わるパターンが多いからですね。私の職種だとオーナーさんに分厚い図面を返却するときなどに風呂敷を用いています。
基本的に風呂敷はカバンに忍ばせておくと、とっさの荷物で使えるときがあります。
取引先にもっていく手土産を包むのにも役立ちます。特にノシ紙がついている場合にノシ紙の角がぐちゃってなったり、破ける場合がありますからね。私は高校生時代に渋いかなっておもって、弓道の稽古着をいれるのに風呂敷を使ってました。弓道は角帯なので、柔道や空手みたいに帯で束ねて持てないですし、そもそもむき出しってのは臭そうですからね。
旅行で土産を包むのにも役立ちますし、中東ならベールのかわりになりますね。
さらには、忠臣蔵ごっこにも使えます。大石内蔵助が日野家用人・垣見五郎兵衛と対面するシーンですね。あれは風呂敷がいちばん注目された映画でしょう(正確には袱紗かな?)。この場合、風呂敷に紋が入っていないといけません。紋といってもスイカペンギンとかではこけちゃいますね。でも、スイカペンギン風呂敷があったらほしいな~。
なお、京都鉄道博物館には鉄道柄の風呂敷があるみたいです。
●番外編1(車掌用トランク)
フーテンの寅さんがもっているトランクタイプです。いまでは精密機器か現金などを入れるぐらいで旅行やビジネスに使っている人はいないと思います。中学生のときに静岡電車区フェスティバルで購入した車掌のお古のバッグです。「静車」は静岡車掌区の意味です。横のステッカーは国労マークです。
国鉄用語で胴乱(どうらん)といいます。買った後にむき出しで持ち帰ったので、改札の駅員さんや車掌さんに声を掛けられました。窃盗を疑われたわけではなく、フェアで売っているのを知っているので、マニアの推定が働いたからです。当時は得意げに持ち帰りましたが、今は恥ずかしくてできませんw。
ちなみに長距離列車の車掌は、たいていこのトランクにプライベートのバックをくわえて常に二つ持っていました。遠方で宿泊する勤務なので、片方には着替えや休憩時間に読む本など私的な物が入っていたようです。国鉄時代などは、東京から乗った車掌が九州まで勤務したら、中1日休みが入り、現地で遊びに行けたようです。実に面白そうです。
夜行の急行「ちくま」に乗った時は、長野車掌区の専務車掌二人で、大きめのポットまで持ち込んで、空いていたボックス席一つを陣取って、お茶を飲んでいたりと優雅でした。ホーム監視も交替でやっていて、一人は常に休憩していました。あれは、ベテランの専務車掌同士なので、のんびりやっていたのだと思います。一階級上の車掌長がいたら、そうはいかないと思います。
●番外編2(車掌カバン)
鉄道では東北地方の車掌を中心に使われていた車掌カバンです。バスに車掌がいたころは全国で使われていたようです。路面電車では広島電鉄でも車掌が使っていましたね。現在でも、東北の私鉄では広く使用されています。
福島交通の車掌カバンです。
JR仙台支社はこのように国鉄型の車掌カバンとは違う形状になっています。新幹線の車掌ももってましたね。
対照的なのは、JR東海です。車内補充券の印刷発行器が登場した時にどうなるのか飯田線の車掌を観察していたら、強引にポケットに突っこんでいましたが、落として壊れるのではなかろうかと思いました。
野岩鉄道ではスマホと印刷器が分離した形になっていて、佐川のにーちゃんみたいな感じで、なんかシンプルでかっこよかったです。
車掌の持ち物も観察すると面白いですよ。