本日はわがブログ名物の汚い話です。
鉄道というのは、昔からほこりまみれなものです。煤煙(SL)や排気ガス(気動車)、線路の鉄粉などですね。いまでも線路わきのマンションはカギの寿命が短いですね。なぜかと言うと鉄粉が飛んできて鍵穴に入って錆びて動きが動きが悪くなるからです。しかも最近のマンションは気密性が高いので、24時間換気をしていると、鍵穴も外気が通りやすいので、埃を引き込みやすくなるからです。
さて、エアコンもない時代は窓をフルにあけますので、車内は埃まみれになります。大井川鐵道のSLに乗ったら、鼻くそをほじってみてください。言っている意味が分かると思います。びっくりしますYO!小学生の時に、SLに乗った日、風呂に入る前になんとなく鼻をほじったら、大変なことになっていました。
「やまぐち号」や「ばんえつ物語」などのエアコン付車両ではわからないと思います。
そんなわけで、昔の乗客にタンはつきものだったので、車両には「タンツボ」なるものが存在しました。最初に出会ったのは、小学生の時に通学で利用していた飯田線の80系の洗面台です。最初に見たときには、どんな役割をするものか不思議で仕方がなかったですね。たいていそこにはタバコが投げ込まれていたので、ずっと吸い殻入れという認識しかなかったです。大学生ぐらいに、何かの鉄道雑誌でタンツボという名称を見たときに、利用方法に合点がいきました。
この写真の左端の穴を見てください。上のレバーで水が流れます。これは寝台特急はやぶさ号のもので、廃止直前に乗った時に撮影しました。JRでは、定期列車についていた最後のタンツボではないかと思います。ひょっとしたら急行「はまなす」(青森⇔札幌)に残っていたかも。
ちなみに真ん中の栓が排水栓で水をためる役割、左がお湯、右が水です。レバーになっており、すぐに戻ってしまうので、両手をどうやって洗うべきなのか未だに悩んでいます。石鹸は急行以上の列車でないと、乗っていませんでした。コップは寝台列車以外はついてなかったと思います。
左上に見えるコンセントはひげそり用の100Vで、夜行列車ばかりのときは、ここでビデオの充電をよくしました。
現在、東京圏では、このようなタイプの洗面台を185系で見ることが可能です。下記を参照ください。ただしタンツボはついていません。
なお、最近リニューアルされたやまぐち号でも、リアルにタンツボまで再現されているようなので、乗ったら見てください。
(公式サイトリンク)
これは昭和38年にでたドキュメンタリー映画「駅」の一場面です。駅といっても、銭函駅が登場する高倉健の映画ではなくて、米原駅の現役の助役さんをモデルにした映画です。その中で客車内の映像があり、ちょうど床にあるタンツボが登場したので取り上げてみました。
私自身はリアルに見たことはありませんが、古い客車の図面を見ているときに「タンツボ」と床に書かれている部分があり、想像通りのものでした。現在、日本にある旧型客車は蓋をふたをしているようです。
鉄道博物館の展示車両のタンツボ部分を写したものです。
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なお、昭和50年代前半ぐらいなら、骨壺のような壺が駅構内におかれていたようです。これも私はリアルで見たことはありませんが、中学時代に、先生が大学生時代の話をされたときに聞きました。検索すると、いくつか写真がでてきますね。