通称飯坂電車。もし、私が外国人だったら、この鉄道と温泉を好きになったと思います。なぜかというと、外国語の表記がまったくないうえ、外国人の姿がない。それに終点の飯坂温泉は観光地然としていない。
私は海外旅行に行くと、できるだけその国の人しかいない場所にいき、日本食は基本的に食べませんし、日本人にあうとがっかりしてしまいます。さらに英語がまともに通じない場所って、それはそれで面白いんですよ。お互いにヘッポコ英語で会話してなんとか意思疎通ができるみたいな。なので、私が外国人なら、ここはベストな旅行地です。
それでは、いつも通りマニアックな視点から乗りレポです。
まずJR福島駅の改札からはそこそこ歩きます。商店街の入り口風のここに入っていきます。
奥が飯坂電車の出札です。
となりに阿武隈急行が同居しています。
あたらしい券売機とIC対応の機械がありますが、スイカなどには対応しておらず、福島交通独自のシステムです。
ホームは右が飯坂電車、左が阿武急ですが、阿武急は途中までJRの線路を通っていきます。
車内の案内にレトロ駅舎などと書いてあったので寄ってみましたが、それほど魅力があるというわけでもないです。
朝と夕方の通勤通学時間帯しか駅員がいないようです。
券売機券かICカードになっており、手売りのものは車内補充券しかありません。3年前に機器の導入で手売り券は一斉になくなったそうです。
車掌さんのカバンを撮らせてもらいました。国鉄時代の東北を知っている方は懐かしいと思います。ほとんどの車掌がもっていましたよね。ちなみに車掌をやっていた方のブログで、車掌カバンの話が出ていて、名古屋車掌区ではダサいという理由でほとんどカバンを使わなかったようです。確かに、関東から中部にかけての国鉄時代の車掌は、システム手帳風の物をつかってましたね。
私見ですが、たぶん機関車が引く客車が多い地域は無線機も持たないといけないので、持てなくなるため車掌カバンが普及していたのではないかと思います。
右が降車ホーム、左が乗車ホームです。社員旅行や新婚旅行でにぎわった時代が伝わってきます。
飯坂温泉駅の改札と出札です。日本語しかないでしょ。出札の上の運賃表には、山形や仙台の文字の跡がうっすらと見えて、かつて派手にJR連絡乗車券を売っていた痕跡がありました。せっかく東京都区内まで購入しようと思ったら、「3年前までは売っていたんだけどね。ごめんね~。」って初老の駅員さんに言われました。
現在は、JR連絡はいっさい発売せず、阿武急連絡のみとなります。
なお、記念スタンプもあります。
自転車借りられます。
スイカつかえません。愛用の「はやかけん」も使えません。福島交通特製「NORUCA」です。「乗るか?」なのか「乗るか!」なのか。
ですが、PayPayは使えます。なんか中途半端に流行に乗っているというか。個人的には、交通系ICが勝つとみていますが、あまり興味がないのでどうでもいいです。それより硬券です。
ファミマが同居しています。
川沿いにあるので、絵になりますね。
ちなみに、近いという理由だけで橋を渡って反対側の「橋本舘」に泊まりました。
古いし、トイレが狭いし、お勧めの旅館ではありませんが、館内には、巨人の選手や十朱幸代、篠原涼子、古谷一行などの写真がありました。結構有名人が泊まっているようです。
おもしろいのはファミコンコーナーですね。
私はファミコン世代なのですが、別にのめり込んでないので、特に興味もわきませんでした。
駅前の観光案内所です。ここで聞いてから動くとよいでしょう。
翌日、街をぶらぶらしてみました。日帰りで行かれる方は、とりあえず、芭蕉も入ったといわれる鯖湖湯は押さえておきましょう。平日の10時ぐらいでしたが、二人しかおらず快適でした。熱いです。
風情のある館内です。この建物は建て替えられているので、トイレもきれいでしたよ。
橋の東に湯野郵便局、西に飯坂郵便局があり、どちらも風景印があります。
「昭和38年!うまいもの百選入選」のフレーズにつられて買ってみました。普通の温泉卵です。
ということで、飯坂電車と飯坂温泉ですが、外国人などに注目される前に行っておくのがいいと思います。観光地は観光地なのですが、ミーハーさがない点に好感が持てます。マイナスポイントは、ほぼ個人的な理由ですが、硬券などの手売り切符類がないことです。多少の硬券ぐらいのこしてもいいものを。
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さて、ここで終わらないのが、本ブログのウリです。わたくしは、仙台方向から来たので、当初の予定は在来線に乗って、伊達でおりて、バスで向かう予定でした。いつもの癖で、往った道を戻らない主義です。しかし、結局、数本しかないバスに間に合わずあきらめたのですが、終着のバス停名が気になっていました。「湯野駅」です。バス停に駅がついていて、駅がない場合は、廃線跡を疑ってください。ココ大事です。テストにも出ますよ!
翌朝、現場に向かってみました。
ちょっと入り込んでいますが、路地を入っていくと、バス停があり、コンクリートの基礎でピンときました。昔の駅の跡です。調べてみると、「湯野町」という福島交通の軌道駅がかつてあり、そこから伊達駅を通って福島駅まで向かっていたようなのです。わかりにくい場所にあるので、地図を貼っておきます。廃線マニアさんは忘れずに。
(撮影日:2019年4月)