大学生までは平気な顔、20代はなんとかノリでいけますが、30歳をすぎるぐらいで、さすがに恥ずかしくなってきます。そう、駅で記念スタンプを押すときです。最近はイタズラ防止で事務室にあったりしますので、駅員さんに一声かけて押させてもらうのも一勇気いります。旅師なので、そこでひるんだことは一度もありませんが、
出張のついでにスーツ姿で押したりするので、まず絵的に不自然なんですよ。
さらに大変なのは夏休み期間ですね。隙をねらって押しに行くのですが、4個ぐらいあると時間がかかって、後ろに小学生とかが並ぶんですよ。しかも焦って、ミスって、更に時間がかかるし。たぶんゴルゴ13が記念スタンプを集めていたら、背後に並んでいる小学生は鼻血ぐらいじゃ済まないでしょうね。
といったところで、簡単に国鉄の記念スタンプの歴史です。
ちなみに戦前のスタンプはこちら
●1970年~ DISCOVER→JAPAN
いちばん古いシリーズです。いま、このタイプを見つけたら絶対に押してください。非常に貴重です。1枚だけだともったいないですね。白紙の紙に何枚か押してとっておくと、いずれヤフオクで売れますよw。わたくしも小学生時代は10種ほど押していますが、その後は目にしてないと思います。
●1977年~ 一枚のキップから
●1978年~ いい日旅立ち
●1980年~ わたしの旅
私は「わたしの旅」からしかしりません。1日に数本しか列車がない駅をなどを訪ねたりと気合をいれてまわりましたね。特に無人駅にひっそりとスタンプがあったときなどは、楽しくなりましたね。古いシリーズが置かれたままの駅もありましたので、これは得した気分でした。
専用のスタンプノートもあります。下の二つが、本流を受け継ぐ権威ある(?)スタンプ帳といえますね。現在、発売されているのは下のものですが、青色も神保町の書泉グランデに在庫がありました(2019年4月23日確認)。
なお、市販のノートなどを利用する際は、罫線のあるものは避けてください。特に小学生がやりがちですが、罫線が邪魔して見栄えが悪くなり、あとで絶対後悔します。
このスタンプ帳の歴史は下のとおりのラインナップです。
こういった鉄道管理局独自の企画もありました。
ほかには下記の2種がよく使われています。
ついでにスタンプの形と色の種別の載せておきます。むかしの『わたしの旅スタンプノート』の最初の方に載っていたものです。
もっとも、国鉄末期は適当になっている事例もありました。
たとえば倉吉駅は「温泉が特色の駅」なので、青の丸ですが、赤の丸になっています。しかし、なぜか平成9年に訪問した時は本来の色に戻っていたりします。
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以下の写真は「わたしの旅」専用のスタンプ台とスタンプの組み合わせです。印影のプラ看板があれば、完ぺきでした。ほぼ原型に近いです。さらに印面の劣化具合と印影のかすれ具合、インクの干からび度、その筋の人がみたら、涙なくしては押せません。
久里浜駅長の心意気を感じます!平成を乗り越えてほしいです。
★久里浜駅長宛
もし、このスタンプを更新するときは古い物も一緒においてあげてください。そしてこの台は維持してください。これだけでマニアの集客を見込めるはずです。国鉄時代を知っている人の、この台に対する郷愁は計り知れません。
これですよ。印面とインクのかすれ具合。国鉄末期はこんな状態になっているスタンプを、2分停車でもうダッシュして、いかにきれいに押すかなんて研究をしましたね。いきついたところは、上下左右を考えない。これで3秒ぐらい時間が節約できます。更に早く押すには、インクを着けずにそのまま押して、思いっきり力を入れる。前に押した人のインクが残っているので、薄いですけど何とかなります。
同じく国鉄時代のオリジナルの現存が確認されている二駅を紹介します。
これは阿南駅のスタンプですが、無人となった桑野と阿波中島のものが現存します。
桑野駅の印面と印影です。
こちらは阿波中島駅の印面と印影。
かなり完全系に近い南千歳駅スタンプ台。スタンプの絵柄はかわっていましたが、初期のイメージにかなりちかいです。
わたしの旅スタンプもどきにも注意が必要です。
これは彦根駅の物です。左が現在の物で、一見、わたしの旅シリーズのように思えますが、ひこにゃんが入ってますから、違うことは容易に想像がつくと思います。右が昭和63年に押したもので、こちらが由緒正しいわたしの旅シリーズです。
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さて、人生で一番あせったスタンプ押印は、高山本線の下呂駅です。2分停車で反対ホームからダッシュしたが、待合室にスタンプがない。駅を出た観光案内所にあるというのです。YAZAWAが、記念スタンプを集めていたら「フェアじゃないね!」と言ったはずです。
改札の駅員にきいたときは、めちゃめちゃ考えましたね。列車内に祖父を残しているし、携帯電話もないので、ばらばらになったら大変なことになる!でも、決行しました。さらに案内所に入って焦ったのが2個あったことです。もうここまで来たら、2個とも押すしかない。
ご覧のとおり、焦りすぎて中途半端な押印になっていますが、押し直しをしたら乗り遅れたと思います。予想通り駆け込み乗車になって、私が乗った瞬間に扉が閉まりました。跨線橋を走っているときは、扉が閉まっている悪夢がずっと続いていました。今でもこのスタンプを見ると、懐かしい気持ちより、緊張しますw。
という風に懐かしむことができるんですよ。
それに、私の場合は書道をやっていた関係もあるのですが、会社でいちばんハンコを押すのが上手です。二度押しの技術もそこそこです。鉄ヲタゆえの技能ですね。
興味持っていただけましたか?旅に出たら、たまには記念スタンプもいいですよ。
(2020年7月29日追記)
阿波池田駅に「一枚のキップから」の復刻版がありました。
(参考サイト)