旅と鉄道の美学

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【鉄道施設系】 梅の季節の臨時駅 常磐線偕楽園駅 営業キロ設定の謎を探る

 念願の偕楽園駅に行ってきました。今シーズンから営業キロが設定されているので、ぼったくりにあうことはできませんでした。非常に残念です。

 

 まだ9時台なので、客もそれほどいません。ホームがあるのは下り線で、その横にあるのが上り線です。当然ながら、ホームがない上り列車は止まりませんので、赤塚をまわって到着し、乗るときは水戸までいかないといけません。途中下車しない限りはみ出した分の運賃は不要です。詳しくはリンク先を読んでください。

 

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 こじんまりとした駅舎で、待合室はありません。

 

 精算窓口のみで、出札は閉鎖されています。記念スイカは売り切れでした。

 

 今回登場したキロポストです。営業キロ自体は鉄道省の時代から設定されていたので、このたび公開されたというか、運賃計算キロとして用いられるようになったという表現が正確なのでしょう。一般向けにはもちろん設定という表現でいいと思います。

 

 なので、少し前に話題になったJR西日本のPOSで偕楽園発の乗車券が誤発行された話はこれが要因だと思います。内部的には営業キロが把握されているので、リストをそのままプログラムに入れてしまって、乗車券として出せるようになっていたのでしょう。JR西日本では仮乗降場や臨時駅といった概念が薄いと思うので、担当者もそこまで気が回らなかったのだと思います。

 

 さて、そこで素朴な疑問がわいてきます。

 これは日本交通公社発行の停車場一覧の常磐線のページですが、100m少ないのです。

 

 公園下駅時代をみても100m少ないのです。

 

 中間駅の営業キロは、駅本屋の中心を基準に定められるのがルールなので、これはどういうことなのでしょうか。ここからは予測なのですが、もともと駅舎が100m日暮里寄りにあったのだと思います。だから公園下なのでしょう。で、国鉄の慣例上、駅舎が移転したとしてもすぐに営業キロの変更はしないので、内部では今日まで113.4キロで続いていたのだと思われます。それが今回の営業キロ公開を機に運賃計算として用いられることから、きちんと駅舎の中心で測りなおしたという歴史が隠れているのだと思います。

 

 さて、ルポ記事続けます。 

 もちろん途中下車愛好家としては途中下車印を押してもらいます。できれば最長片道きっぷで立ち寄りたいところですね。

 

 駅スタンプです。精算窓口横にあります。

 

 記念券もいただけました。

 

 駅前風景です。ここからすぐに偕楽園に徒歩で向かえます。

 

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 帰りにしょーもないことをやってみました。

 偕楽園から上野方面の乗車券で乗って、水戸駅で降りる場合にどうなるかです。当然ながら区間外乗車の出場なので、偕楽園・水戸間の往復分を支払う必要があります。意外だったのが、乗車券はそのままであること。ここは出場の証しとして途中下車印を押すのが望ましいと思いました。

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 なお、駅長さんがいたので、今回の営業キロ設定の経緯を尋ねてみました。売上減ったでしょう?ってイヤミったらしく質問したのですが、売り上げについてはあまり関与してないようでした。むしろ、現場サイドとしては、ICの改札機を分けることによるオペレーションの難しさがあったようです。つまり、赤塚駅カウントと水戸駅カウントでなおかつ乗車と降車があるので、4種類の機械を置かないといけない。混雑した中でぐちゃぐちゃにやってくる客をそれぞれの改札機に誘導するのがすごく大変だったみたいです。ぼったくり分の利益より、現場が音を上げたという評価が正しいのかもしれませんね。

 このような現場サイドの意見やJR他社が臨時駅の営業キロを設定しているといった背景もあって今回のような形になったのでしょう。マニア的には、ぼったくり!と言ってやり玉にあげて、おもしろおかしく批判したいところなのですが、利用者のことを考えると、もっと早くやっておくべきだったでしょう。

 前の記事にも書きましたが、この規定にかかわるところは消費者契約法の不当条項にあたる可能性が非常に高いので、訴訟をしたら、無効となって超過分の返金を受けたと思います。まあ訴訟費用を考えるとやる人はいませんけどね。少なくとも継続していたら、いずれ消費者庁から指導をうけたでしょう。

 

 

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