今回は、このブログでもときどき登場する本格的車掌マンガ「カレチ」のご紹介です。車掌が主人公というのも珍しいですよね。もともと寝台特急の車掌長になりたかった自分としては、興味深く読めました。そしてちょっと泣けました。
カレチとは国鉄内の電報略号で、客扱専務車掌を意味します。レチチで車掌長、レチで車掌、ウテシで運転士などですね。
主人公は人情深い若手の専務車掌で、大阪車掌区の所属という設定です。大阪車掌区といえば、トワイライトエクスプレスへの乗務で最長で北は蟹田、南は都城など、日本の車掌区の中でもトップクラスの長距離乗務区間がありました。なので、話もその乗務エリアにわたっています。ベースが、元大阪車掌区・車掌長であった坂本衛さんの著著が参考にされているようですね。
国鉄時代やJRになりたてのころは、こんな感じの車掌さんばかりでしたよ。今のように鉄ヲタも多くなかったし、車掌さんも意外と時間があるみたいで、夜行列車では随分と車掌室に行って話し込んだものです。いまのJRの車掌さんは、乗務人数も少ないだけあって本当に忙しそうです。
国鉄が好きだった人には是非読んでもらいたいマンガです。おそらく私と同じように国鉄ってこんな感じの独特の余裕みたいなものがあったな~って郷愁に浸れると思います。
JRしか知らない世代は、せかせかした今のJRとは一風変わった国鉄の雰囲気を感じ取ることのできるマンガだと思います。
マニアからみると、技術的にちょっと変だなと思うところもありますが、全体的に納得のいく脚本になっています。
この2巻の制服だけ色が違うと思いますが、これは盛夏服と呼ばれる優等列車の車掌や指定駅の駅長が来ていた制服です。詳しくは下記を参照。