今回の件は飯田線も豊川信用金庫も悪くないので、表題に加えるにはちょっと酷だとは思いましたが、大昔の話で営業妨害ってことでもないでしょうし。
さて、昭和48年12月。いつも通り飯田線を使って通学する女子高校生の雑談から警察も出動する大事件となったお話です。冷静に考えるとわかりそうなものですが、いつの時代も自分の頭で考えずにデマに流される人がいるわけです。
私はまだ生まれてないので、良くわかりませんが、親に聞くと、結構、地元では有名な話だったみたいです。
要約すると、高校卒業を控えて地元の有力金融機関である豊川信用金庫にきまった女子高校生が友達に内定のことを伝えたところ、冗談でつぶれるという噂があると言った
ことが発端です。それが波及して、のべ5000人、14億円の取り付け騒ぎになったというものです。
今では金融機関への就職は将来性が無いなどと言われ始めていますが、当時は、公務員や公共事業系企業と並んで地元では手堅い就職先ですから、妬まれるのもわかります。しかも豊川信用金庫は、東海銀行(現三菱UFJ銀行)、豊橋信用金庫についで地元では人気のある企業ですから、親もちょっと自慢できますしね。
(1973年12月15日朝日新聞より)
この記事を読んでいたら、波及した要因として地元のネットワーク以外に、当時、流行っていたアマチュア無線でその情報を流されたことも大きかったようです。私の父親の世代が、バリバリアマチュア無線をやっていた世代で、自宅と自家用車につけて楽しんでいました。まだ携帯電話もない時代ですから、かなり流行っていましたね。通話しているだけではなくて、ラジオ的に聞いているだけの人もいました。
いまでもデマの研究では取り上げられる事件みたいです。