旅と鉄道の美学

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【国内旅行系】 意外に高い運賃。鹿島臨海鉄道(茨城県) 前編

 今回はこちらの鹿島臨海鉄道です。歴史が浅いだけあって、全体的に作りがしっかりしていて、直線も多いです。鹿島サッカースタジアム⇔水戸間は1985年開業です。

 とまあ、旅客線部分は上記の通りなのですが、この鉄道はもともとは貨物が本業です。

 

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 これは貨物時刻表の路線図です。鹿島サッカースタジアム(旧駅名:北鹿島)から下に延びていると思いますが、これがコンテナを運ぶ貨物専用線です。

 

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 定期列車は鹿島サッカースタジアムと神栖の間だけみたいです。

 

 さらに掘り下げます。この貨物鉄道区間は、その昔、旅客営業を行っていました。

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 これは1979年の時刻表ですが、北鹿島駅(現:鹿島サッカースタジアム)でスイッチバックして鹿島港南に向かっています。その後、1983年に旅客営業は廃止されて、現在は貨物営業だけです。

 

  どの乗車券で旅をするか?

 

 イメージと違って結構高い運賃です。JR北海道よりも高い。しかも一般向けのフリー切符もありません。何も考えずフラッといってしまったので、まともに乗車券を購入するしかありませんでした。

 70歳以上はフリー切符があります。

 リンク⇒大好評!企画乗車券『ねんりんキップ』を継続発売しています! - 鹿島臨海鉄道株式会社

 

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 ※途中下車前途無効の乗車券でありながら、「水戸」で途中下車印があるのを不思議に思うかもしれませんが、これは旅客連絡運輸規則76条から除外されているので(「連絡接続駅」という扱い。)、正式に途中下車が可能です。改札前のミスドに寄りたかったので、出させてもらいました。水戸駅の改札係はこの例外規定を知っており、しっかりとした業務知識を身に着けている方だと感心しました。

 

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 大洗から新鉾田への移動で購入した乗車券です。

 

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 こちらは新鉾田で下車してからの乗車券です。これなら水戸から銚子まで通しで買ったら、いつもの101キロ以上を確保して途中下車可能な乗車券が買えるのでは?という疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、通過連絡運輸(JR→鹿島臨海→JR)も含めてJR区間が全て近郊区間に含まれてしまうので、少し裏技が必要です。

 いちおう私の案としては下記ですが、発行してもらうには、少々交渉力がいるかもしれません。

 

 ① 東京→(新幹線)→上野→水戸→鹿島サッカースタジアム

 東京・上野間に新幹線を加えることにより近郊区間をはずすことができ、JRと鹿島臨海ともに途中下車可能な乗車券になります。この乗車券でも、別に新幹線に乗る必要はありません(新幹線と在来線が同一路線とみなされます)。

 

 ② 小山→安積永盛→水戸→鹿島サッカースタジアム

 水郡線を経由することにより近郊区間をはずすことができ、途中下車可能な乗車券となりますが、現実的ではありませんね。それに迂回ルートなので売ってくれない可能性が高いです。


 ちなみに、大洗と新鉾田で下車するだけなら、水戸→大洗(330円)・大洗→新鉾田(520円)・新鉾田→鹿島サッカースタジアム(590円)の計1440円で、乗り通した金額より40円高いだけです。

 

  手売り乗車券類

 

 収集家向けに、現在も売っている手売り乗車券類です。これ以外は機械発券になります。f:id:Estoppel:20200621180900p:plain

 左は多客時に車掌が乗務する際に発行される車内補充券です。普段はラッシュ時でも車掌乗務は無いようです。ただ、駅にも同じ乗車券が配備されており、手回り品切符としては発行するようです。なお、特殊補充券は通常、発行しないそうです。

 

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 これは硬券全盛期に発売されていた乗車券です。各方面に多数の口座がありました。

 

 なんか、すげーウンチクが長くなってしまいました。次の記事で乗りレポにまいります。