旅と鉄道の美学

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【鉄道施設系】 旅人は休まない。山猫は眠らない。福井駅も眠らなかったので、ダイヤを描いてみた。

 山猫は眠らないは知っていると思います。旅人は休まないは韓国映画です。

 

  時刻表から列車ダイヤを描いてみよう

 

 ということで、まずはこれをご覧ください。

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 昔の福井駅の列車ダイヤを書き起こしたものです。臨時列車を含めていますが、すべて客扱いをする列車です。おそらくこの間も貨物列車がバンバン走っていると思いますが、省略しています。ガキの頃は、何かの鉄道本で時刻表から列車ダイヤを書き起こす方法が書かれていたので、飯田線の時刻表からダイヤを作成して、通学用に使っていました。しかも、駅で聞いた貨物の時間まで入っている優れものでした。 

 

 さて、このダイヤですが、中学生の時のXY関数で習ったのを覚えている方もいるでしょう。上が米原方面、下が金沢方面を表しており、23時から5時まで、福井駅に停車する列車を示しています。たとえば、左上の急行くずりゅうは、24時少し前に到着する福井どまりの終電です。その次の急行立山6号は福井駅で20分近く停車します。この停車時間は郵袋や荷物の積み下ろしの時間ではなかろかと思います。

 

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 明治時代に日本に鉄道が敷かれたとき、列車ダイヤを描いていたのはイギリス人で、日本人には出来上がった時刻表だけが渡され、そのとおりに列車を運行していました。日本人はその仕組みを不思議がっていましたが、あるときにそのダイヤを盗み見た者がいて、それから日本人でもダイヤが描けるようになったようです。

 鉄道で働くとわかりますが、時刻表より列車ダイヤの方が断然、わかりやすいのです。ホーム監視をしている最中など、忙しいので、このスジを追っていくとすぐにわかり便利でした。ちなみに、この線のことをスジといい、列車ダイヤを作成する担当のことを「スジ屋」といいます。

   

  福井駅は眠らない

 

 上のダイヤから何が言いたいかというと、深夜にもかかわらず列車がとぎれないことです。新潟方面の夜行が出たかと思いきや、逆方向の夜行がやってきます。いちばん間が空く赤矢印部分でも55分ですから、駅を閉める時間はありませんよね。終電を見送って構内巡回をしている最中に初電の時間になってしまいます。当時、マニアの間では24時間開いている駅として有名でした。いまでは24時間開いている駅はないと思います。

 

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 で、実際に夜中の福井駅がどうなっているのか確認したくなるのが、旅師なオレです。このときも旅好きなジイちゃんとの過酷旅行の最中で、福井駅前のビジネスホテルに宿泊し、深夜に駅まで行ってみました。ジイちゃんは、オレは眠いからってことで、一人で出かけていきましたが、ここでも青少年保護育成条例違反ですね。

 行ってみると、駅構内はがら~んとしていて、みどりの窓口が一箇所だけ開いていました。驚いたのが、改札です。1か所だけラッチが開いていて、自分で鋏を入れて改札通ってくれ的な看板が出ていて、誰もいないのです。照明はすべてついていて扉も特に閉まってないので、客がいないだけで夕方と何も変わりません。なんじゃそりゃって思って、確認したことに満足してホテルに帰りました。だいぶおバカな小学生でした。

 上の写真はそのときの夕方にとった福井駅の写真です。ピンボケですね。

 

 ちなみにオチもちゃんありますYO!

 翌日の早朝に越美北線(福井から岐阜方向の山奥に延びる路線。)を往復してから、高山本線経由で愛知県に帰る予定でしたが、やはり起きられなくて乗れませんでした。それもそのはずです。前日の夜は、急行だいせんに乗っていて、車掌室で遊んでいたのでほとんど寝てないのです。そのときに下の記事に載っている写真を撮りました。

 結局、この歳になっても乗れずじまいです。何十回と金沢に出張していたのですが、仕事が忙しすぎて休みを挟む余裕がなかったのです。もっとも車で移動することが多かったので、駅は訪ねていますが。

 

 ターミナル的に生活できた(?)

 

 駅が24時間開いているということは、映画「ターミナル」みたいに駅構内で生活できるのでは?と思いますよね。昔の上諏訪駅のように構内に風呂があったら、なおさら生活できそうです。理論上は、有効期間内の乗車券であれば出来ますね。入場券では当日限り有効(いまは2時間制限。)なので、当時の福井駅の場合、0時を過ぎたら追い出されるでしょう。また0時過ぎまで構内にいたら、もう1日ぶんの入場料金を取られるでしょう。

 小学生なので思いつきませんでしたが、この当時、大人だったら、24時前に入場券を買ってみて、あえて24時すぎに出場し、改札係がどういう対応をするのか実験したと思います。

 ※現在のようにいったん閉めるような駅であれば、乗車券の継続乗車の制度を類推適用し、終電まで(駅が閉まるまで)は、前日の入場券で可能となります。実際、このような運用をしています。

 

 

 (本物の列車ダイヤの事例はこちらを)

 ※私鉄の場合は「列車運行図表」との名称が多いです。