旅と鉄道の美学

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【国内旅行系】 日中線記念館に行ってきた(福島県・喜多方市)

 小学生時代に行きたくて実現できなかった4駅が、十勝三股(北海道・士幌線)、熱塩(福島県・日中線)、西寒川(神奈川県・相模線)、小松島港徳島県牟岐線)です。どれも国鉄(末期の姿)というものの魅力がギュッと凝縮されていて、ブルースを感じるというか。。。

    

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 熱塩駅を魅力的に(?)解説した種村直樹『鈍行列車の旅』です。喜多方と熱塩を結んでいた日中線をボロカスに書いています。小学生の私は、これを読んで魅了され、すごく行きたくなりました。こんなボロボロになった路線と駅があるのかと。しかし実現せずに廃止となりました。

 

 なお、日中線現役当時の映像はこちら。14:56ぐらいからが熱塩駅です。

www.youtube.com

 

 

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  ついでに『国鉄全線全百科』の十勝三股駅のページです。子供が相手でも、情け容赦のない専門的記述が硬派ですね。今読んでも、子供だましではなくて、本格の解説であることがよくわかります。ちなみにこのページを見たときに、廃止されてないのに、何で「来ることもない列車」と表現しているのかさっぱりわかりませんでした。後に、末端部分が代行バスになっていたことを知って納得しました。

 こんなボロボロの駅舎の写真を子供用の本に載せるとは、粋ですね。こちらも、この写真を見てすごく行きたくなりました。

 

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 それでは本題に入っていきますが、20年以上前にも行っているので、まずは古い方から。当時は、普段は閉まっており、目の前の家の方が鍵の管理をされていたので、訪ねて行ってあけてもらう形でした。

 展示品は今と大差ありませんが、なんとなく並べてあるだけで、写真などはそれほどなかったように記憶しています。

 曇り空とあいまって、国鉄末期のようなどんより感がありました。この駅前に郵便局があり、立ち寄ったところ、たまたま喜多方市街に行く客がいて、駅まで送っていただいたことを覚えています。雨も降っていたし、バスまでしばらく時間があったので、ありがたかったです。

 (撮影日:1996年7月)

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 さて、今回はどうなっているか。全体的に展示物が整理されていますし、展示車両にも入れるようになっていました。天気の良い日だったので、前回のようなどんよりとした雰囲気ではなかったです。

 (撮影日:2019年6月)

 

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 正面の2本の木が駅舎を引き立てていますね。

 

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 駅舎の喜多方寄りに少し歩くと踏切跡があります。見落としがちなのでお忘れなく。

 

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 更に行くと、円形の穴が出現します。看板が無ければ沐浴場の遺跡にでも間違えそうですね。機関車を方向転換する転車台です。

 

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 駅から米沢よりにある留置車輛です。20年前と変わっていません。通常、こういった車両は子どもたちに石を投げられてガラスが割れていたりするのですが、ここは良好です。

 

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 除雪車の内部です。入れませんが、内部はのぞけます。

 

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 客車は入ることができます。

 

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 ニスが劣化していますが、非常にきれいな保存状態です。洗面所は入れますが、トイレはカギがかかっています。

 

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 音だけですが、SLの走行音が流れました。

 

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 いいですね。木製の改札口。最近では鹿児島県の嘉例川駅でしか見てないです。

 

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 まったくかわっていない出札口と小荷物窓口。左の低い方が鉄道小荷物の受け渡し窓口です。この制度は、宅配便の普及によりなくなりました。

 

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 乗車券箱です、岩田製作所製の古いタイプですね。

 

 

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 100円を入れて、乗車券箱から模擬切符を取り出して、自分で日付をいれるようになっています。薄いですが、いちおう印字できました。

 

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 あとはどこの資料館でもありがちな部品類です。解説が充実していると良かったです。

 

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 ホーロー製のサボ類です。左下の会津滝ノ原は、現在の会津鉄道会津高原尾瀬口(前名称:会津高原)です。


 ということで、やはり熱塩駅はすばらしい。全体的にこぎれいにしてありますが、史実を曲げるような補修やミーハーな展示を排している点は好感がもてます。

  

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 これは、私の手元にある日中線廃止直前の社内補充券です。この路線は、廃止直前はすべて無人駅なので、このような切符しか残っていません。会津若松車掌区は、日中線、会津線只見線磐越西線に乗務しており、社内補充券はA~Dまで、線区別にそろっていました。

  

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 なお、現在はバス路線がないので、鉄道で喜多方駅に着いたら、レンタカーで行くか、レンタサイクルで行くか(結構きついと思う。)、あとは熱塩温泉に泊まって送迎を頼むかといった手段になります。熱塩温泉はいちど泊まってみたかったので、今回、セットにして、送迎を依頼しました。そして、チェックアウト後に日中線記念館まで歩いて行って、あとで車で拾ってもらい、喜多方駅に帰還したものです。この方法が一番、手軽だと思います。 

 ★熱塩温泉の記録は次回アップします。

 

 開館時間は、9:00~16:00 (月曜日は休み)

 

 観光案内図を貼っておきます。

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 パンフは喜多方駅にある観光案内所で手に入ります。

 

 (リンク)

旧国鉄日中線 熱塩駅(日中線記念館)|近代化産業遺産|見る・感じる|喜多方観光物産協会

 

 

www.estoppel.jp