旅と鉄道の美学

鉄道を中心とした国内外の旅と切符など。リンクフリーです。

【鉄道施設系】 駅そばっている駅 亀嵩駅(島根県・木次線)

 そば屋が同居してる駅としては元祖ですよね。駅そば通なら音威子府駅(既に廃業)とならんで行っておきたい駅です。

 ちなみに、この駅というか、そば屋はいろんな意味で幸運だと思います。もちろん味は確かなのですが、①砂の器の聖地、②鉄ヲタに人気の木次線、③収集マニアに人気の常備券設置駅、④比較的交通量のある駅前道路と広めの駐車場など、集客要素が満載です。

 

 国鉄直営ではなくなったのが1971年で、そば屋は2年後にスタートしているので、ずいぶんと歴史があります。当時の国鉄で駅舎内で別業種を行うのは珍しかったので、鉄道本にもよく取り上げられていました。私も小学生時代からこの駅を知っていましたが、この歳になってやっと訪れたわけです。昨年訪れたときは大雪で臨時休業でした。

 

f:id:Estoppel:20211019090439p:plain

 仲代達矢主演の「砂の器」だったと思いますが、この駅の映像がでたときに「手小荷物扱い所」の看板が気になったんですよね。業務委託駅であることは知っていたので、乗車券販売の看板があることに違和感がなかったのですが、なぜ手小荷物なんだろう・・・と思ったわけです。

 現場に行って当時の新聞記事を読んで納得しました。現在の店長さんの親父さんが業務委託をうけているときは、簡易委託ではなく、完全なる業務委託だったようで、出札と手小荷物扱いもやっていたようなのです。

 ※手小荷物については下記参照。

www.estoppel.jp

 

 前置きが長くなりましたが、駅舎を見ていきます。

f:id:Estoppel:20211019090534p:plain

 昭和40年代からかわらぬ姿です。違うのはアルミサッシとエアコンぐらいですね。

 

f:id:Estoppel:20211019090805p:plain

 ローカル駅にしては立派なトイレです。中もきれいに清掃されています。

 

f:id:Estoppel:20211019090902p:plain

 既に交換設備の跡もわからなくなっていますね。一部にかすかに反対ホームの跡もあり、昔は交換可能駅であったことが判ります。

 

f:id:Estoppel:20211019090925p:plain

 駅舎マニアさん向けの1枚です。「停(本屋)壱號」。竣工時の銘板が残っています。国鉄の『小停車場本屋標準』における「停車場(本屋)」の1号タイプの様式を意味するものでいいと思うのですが、ちょっと詳しくないので、この辺にしておきます。また調べて別記事にします。



f:id:Estoppel:20211019090603p:plain

 許可を経て店内を撮影させていただきました。まだ11時ぐらいなので、客は1名しかいませんでした。

 

f:id:Estoppel:20211019090624p:plain

 出札と乗車券箱です。今は硬券はありませんので、単なるオブジェです。

 

f:id:Estoppel:20211019090655p:plain

 記念スタンプもあります。

f:id:Estoppel:20211019090719p:plain

 故種村直樹氏推薦の割子そばにしました(中村敦夫のドキュメンタリーの中で語っていました)。食いしん坊は5枚ぐらいいけると思います。私は4枚でちょうど良かったです。女性は4枚は多いかもしれません。

 味は普通に旨いですよ。手打ちの腰の強さと濃いめのつゆがマッチして満足感のある印象です。駅前の駐車場が充実していることもあって、昼は盛況です。昼以外も地元の方がポツポツと寄って朝飯やおやつ代わりに食べている感じですね。

 しかし、列車で訪れたのは私一人という寂しい結果です。。。木次線に乗っていた鉄ヲタさんらは、先を急ぐようでみんな素通りでした。やっぱり国鉄時代を知っている人でないと、この駅の魅力は分からないのかもしれません。

 

 なお、電話で注文しておけば、列車のわずかな停車時間でも購入できるようです。

soba.izumo-city.jp

 

www.kamedakesoba.jp

 

 もちろん乗車券も売っています。

f:id:Estoppel:20211019090342p:plain

f:id:Estoppel:20211019095640p:plain

 190円は品切れでした。店長さん、というか駅長さん曰く、これもいつまで持つかあやしい感触とのことでした。今のうちに買っておいた方がいいでしょう。ひとまず、応援も兼ねて、あったものを全種類買っておきました。

 もっとも1170円の物は、備後落合まで実使用してからいただきました(名古屋までの芸備線経由の乗車券を持っていたので、そのまま乗り換えて無傷で手に入れています。)。右下は一緒にもらった表紙です。

 

www.estoppel.jp

www.estoppel.jp

www.estoppel.jp

www.estoppel.jp

www.estoppel.jp