【要点】 自動改札装置(簡易改札装置を含む)がある場合は、駅員無配置駅であっても、列車を降りただけでは改札内なら下車とならない。
途中下車をすると、途中下車不可能な乗車券の場合は前途無効になるし、途中下車可能な乗車券なら、輸送障害時の無賃送還後における払い戻しで、その駅以降分しか運賃は戻りません。ICカード乗車券なら、改札を出た駅で運賃が打ち切られます。
これが普通乗車券を使用した大都市近郊間の大回り乗車なら、その駅で運賃が打ち切りになり、区間変更扱いとなります。
そこで、下車となる基準は何であるのか疑問となるわけです。「下車」を直接定義した規定はないのですが、乗車=旅行開始の定義を反対解釈すると出てきます。
【旅客営業規則】
(用語の意義)
第3条
この規則におけるおもな用語の意義は、次のとおりとする。(1号~9号の2 略)
(10)「旅行開始」とは、旅客が旅行を開始する駅において、乗車券の改札を受けて入場することをいう。ただし、駅員無配置駅から旅客が乗車する場合は、その乗車することをいう。
この規定からは改札を出ることが下車であることが推知できます。さらに、駅員無配置駅は改札がないので降車する場合をいうと判断できます。ここから次のことがわかります。
●駅員配置駅→改札が基準
●駅員無配置駅→列車への乗降が基準
困るのが、改札のある駅員無配置駅です(下図の黄色部分)。

営業規則ができたころは、自動改札装置はなかったですし、自動改札装置ができてもトラブル対応のために駅員がいたので、改札がある駅員無配置駅の存在はありえなかったからです。規則の改変が中途半端にしか行われていないので、矛盾が生じています。
ここは、混乱防止のため、「駅員無配置駅」の概念を用いず、「改札」概念に統一すべきです。例えば、「自動改札装置を設置していない駅員無配置駅から旅客が乗車する場合は、その乗車することをいう」とするなどです。
次に「改札」の意味をさぐります。
【旅客営業規則】
(乗車券類の改札)
第228条
乗車の目的で乗降場に入場し、又は乗降場から出場しようとする者は、所定の乗車券類を所持して、係員の改札(自動改札装置による改札を含む。以下乗車券類の改札及び引渡しについて同じ。)を受け、定められた場所から入出場しなければならない。
(注)新幹線の特別急行券及び特別車両券(A)については、駅内に改札の箇所が設置されている場合は、当該改札の箇所が出場の箇所である。(2項 略)
この条文の解釈を補完するのが下記となります。
【旅客営業取扱基準規程】
(乗車券類の改札をする箇所)
第240条 乗車券類の改札は、旅客の入場又は出場の際(駅員無配置駅では、乗降の際)その箇所で、及び列車内でしなければならない。
2 列車内で乗車券類を改札する区間は、運輸の状況によつて、車掌区長(管理所長、運輸区長、車掌所長及び車掌区長の業務を行う駅長を含む。以下同じ。) が指定するものとする。
3 前各項の規定によるほか、支社長が必要と認める場合は、その指定する箇所で乗車券類の改札をしなければならない。
これらを総合すると、自動改札装置を含めた改札が下車の基準となります。駅員無配置駅は通常、改札がないので、列車への乗降が基準になりますが、現在の大きく変貌した現場の状況からみて駅員無配置駅の改札も駅員配置駅の改札と同視するのが妥当でしょう。上記の3条の制度趣旨を踏まえたら、規定創設時に自動改札装置は考慮してないからです。
さらに簡易改札装置をどう考えるかですが、すでに現場ではさほどの区別はしていないので、従来の自動改札装置と同じ扱いとみるのが妥当です。
よって、駅員無配置駅であっても、簡易改札装置を含めて自動改札装置があれば、そこより外に出ることが下車と考えられます。次の3例とも、改札装置より外に出なければ下車とは認められません。現在、JRもこの基準で運用しています。
【吉富駅】

バーはないですが、従来型の自動改札装置です。
【国道駅】

簡易改札装置です。
【近江塩津駅】

簡易委託なので、駅員無配置駅となります。

奥に簡易改札装置があります。