【要点】 熱海・東京間を運賃・料金ともに他経路乗車として考えることは難しいが、業務連絡書の内容によってはそのように考えられなくもない。
前回の記事(リンク参照)で、熱海・東京間は運賃料金ともに他経路乗車ではないかというご指摘、さらに業務連絡書が熱海・東京間が別線であることを意識した記述になっていないという補足情報をいただいたので、続編を挙げます。
1 業務連絡書との整合性
指摘内容の本質は、熱海・東京間は料金も他経路乗車として算定されるのではないかという点ですが、業務連絡書の内容と整合しないように思われます。
業務連絡書の関係する文言を再確認してみます。
新大阪駅にて臨時停車客扱い、急乗承の取扱いを実施、下記区間において東海道新幹線の乗車を特認する。
寝台料金及び特急料金を急乗承により払い戻しを行う。
「東海道新幹線の乗車を特認する」「特急料金を急乗承により払い戻しをおこなう」とあるので、JR西日本がすでに東京まで急乗承の扱いとする旨を明言していることになります。したがって、急乗承として確定している部分を他経路乗車として二重にカウントすることができないので、熱海・東京間は運賃部分のみが他経路乗車として差額精算されることになります。他経路乗車の承認は黙示の承諾とみます。
よって、JR西日本がこのように承認している以上、東海も東日本も否定することはできないので、運賃の差額払い戻しに応じるしかないのです。なお、急乗承の場合、払い戻し駅の限定はないですが、他経路乗車の場合は着駅に限定されるので、運賃の差額払い戻しは券面着駅に限定されるでしょう。
2 特急券も他経路乗車として見る場合
別の方の情報で、熱海・東京間同一線時代の業務連絡書とフォーマットが同じじゃないかという書き込みを見ました。そこで、思ったのが、業務連絡書の内容が変われば、差額払い戻しが不要になることもありうるなと。
ただし、熱海・東京間は他経路乗車扱いとし、運賃および特急料金の差額精算とする。
この一文が加わった場合です。急乗承の規定(旅規289条)における「同一方向」が厳密に同一路線だけ(熱海まで)に限定されるとみれば可能です。旅客優位に解する約款解釈の原則や消費者契約法からすると、それでも危ういですけどね。
3 確実に他経路乗車になる事例
今回の事例に加えて、名古屋以遠の東海道新幹線、東海道本線とも不通となった場合は、中央本線が最短になりますので、名古屋から特急に乗って新宿に向かう方法が考えられます。そうなると中央本線は、さすがに急乗承の「同一方向」とはいえず、他経路乗車扱いとなります。このような場合は中央本線経由の特認が出ることが多いのですが、出ない前提です。

すると、旅客として最大限優遇を受けるには、新大阪・名古屋間を急乗承(「ひかり」、「こだま」、「ひだ」、「しらさぎ」など。「のぞみ」は不可。)、名古屋・東京間を他経路乗車として申告し処理してもらうことになります。この場合、新大阪・名古屋間の特急料金払い戻し、名古屋・東京間が運賃・特急料金ともに合算されて差額精算になるでしょう(超過しても追加負担なし。)。
