旅と鉄道の美学

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【切符系】 補充券を常備券として代用した乗車券

 次のリンクの通り、以前に入場券の代用事例を紹介していますが、今回は乗車券の代用です。補充券を常備券に代用する場合の話となります。

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 まずは規則から入ります。赤字のところを読んでみてください。

【旅客営業取扱基準規程】

 (乗車券類の代用発行等)
第192条 多数旅客の乗車その他の事由によつて、常備式の片道乗車券、往復乗車券、連続乗車券、定期乗車券又は普通回数乗車券に不足が生じた場合は、その期間内における常備乗車券の発売予測数量を限り、次の各号に定めるところにより、発売順位にある補充乗車券をその常備乗車券の代用として、専用に供することができるただし、専用に供した補充乗車券(普通旅客運賃によるものに限る。) は、旅客運賃を割引する場合には発行してはならない。
(1) 不足した乗車券の種類及び着駅並びに専用に供する補充乗車券の数量及び番号を適宜の用紙に記入して、あらかじめ審査課長に報告する。
(2) 専用に供した補充乗車券が残つたときは、これを廃札として第196条の規定によつて処理する。
(3) 乗車券乙片には、初片を除き、必要事項の記入を省略する。この場合に、乙片は、あらかじめ全部切り離し、専用に供した月の乗車券簿に添附して審査課長に提出する。

 補充乗車券を常備乗車券の代用として専用に供することができるとあります。

 補充券は常備券の代わりにも普通に使えるのですが、それは都度、作成する場合です。今回は「専用に供する」という部分が特殊なのです。あらかじめ補充券を常備券のように仕立ててしまって、作り置きしておくわけです。

 実例はこちら。

 この当時の補充片道乗車券はD型なので、このタイプです。これで通常の20円区間までの常備券の役割を果たします。常備券に変身したわけです。規定上は「乙片はあらかじめ全部切り離し」とありますが、これは切り離してないですね。ゴム印を大きく作りすぎて乙片まではみ出したから切断をあきらめたのでしょうか。

 

 ちなみに、この乗車券で区間変更した場合は、回収せずに旅客に持たせたまま特別補充券を発行することもあり得たでしょう。原券が補充券なら回収しなければいけませんが、金額式乗車券であれば回収は必須ではないからです(基準規程263条1号)。

 

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 次は簡易委託駅の事例ですが、異論が来ることを承知で挙げます。

 思うに、上記の規定の類推適用ともいえるのではないかと。マルス券自体は都度、印刷される補充券と同じようなものなので、それをあらかじめ印刷して、発行時に日付を押印するのは補充券の代用と類似するのです。それは違うだろ!って批判は想定しています。

 

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 さて、この規定の2項以下にまいります。

2 常備乗車券の設備のない区間で、乗車券の発売が激増した場合は、前項の規定に準じて行うことができる。
3 次の各号に掲げる乗車券は、番号の連続する2枚を使用し、規則第188条第1項第9号に規定する記号を表示(車内片道乗車券の場合を除く。) のうえ、往復乗車券の代用として発行することができる。ただし、乗車する区間が片道の営業キロが600km以内のものに限る。
(1) 一般式常備片道乗車券及び相互式常備片道乗車券
(2) 準常備片道乗車券
(3) 特殊共通券
(4) 車内片道乗車券
   (4項、5項略)

 この規定の応用編というのか微妙なのですが、JR北海道の補充片道乗車券を往復として代用した事例です。本来、これは片道専用なのですが、無理やり往復に使っています。上記の規定に沿うと、2項で1項に準じて常備片道乗車券として代用し、さらに3項を類推適用して往復乗車券に代用したということがいえるでしょう。

 つまり、こういうことです。

 補充片道券→常備片道券に代用→往復乗車券に代用

 ダブル代用です。

 だから、かえり券なのに矢印の方向が逆なのだと思います。

 上は南稚内→豊富、下は野幌→豊幌の乗車券です。矢印の向きをよ~く見てください。

 

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