【要点】継続乗車制により、SuicaでPASMO区間を含めて12/31始発から1/1終列車(1/2)まで大回り乗車可能。PASMOでSuica区間を含めて行うことも可能。
先日、次の記事をアップしましたが、今回は逆バージョンです。これができると、年末年始大回りがもっと広がる可能性を秘めています。
まずは一般的(?)な利用方法です。
船橋からそのまま東京メトロ(東京地下鉄株式会社)の東西線に乗って中野まで行き、下総中山にJRで戻った場合です。

普通乗車券だと、船橋→西船橋(150円)/西船橋→中野(330円)/中野→下総中山(580円)となり、合計1060円です。
しかし、Suicaを利用すれば、船橋→下総中山の最安区間で計算し、170円となります。とんでもなく安いです。
種明かしにまいります。前の記事と被りますが、ICカード規則の該当部分を確認してみます。赤色を読んでもらえばいいです。
(接続駅で改札を受けずに乗継ぐ場合の運賃の減算)
第63条 Suica乗車券(第61条第2項第1号から第3号に規定する発行会社のICカード等でSuica乗車券に相当するものを含みます。以下この章において同じ。)で入場し、接続駅において改札を受けることなく当社線を含む複数の鉄道会社線(合わせて4社以内に限ります。)を乗継いで乗車する場合は、出場駅において、次の各号に定める金額をSF残額から減算します。(1)第2号及び第3号に該当しない場合は、第38条の規定による当社のIC運賃(第29条の2の規定によりIC運賃と鉄道駅バリアフリー料金とをあわせ収受する場合は、その合算額。以下この章において同じ。)と鉄道会社毎に定める普通旅客運賃(鉄道会社毎にICカード等に適用する運賃がある場合は、IC運賃に相当する運賃。以下この章において同じ。)との合算額(以下「IC運賃等」といいます。)
(2)乗車区間の入場駅及び出場駅が当社線となる場合は、両駅間の経路に他の鉄道会社線を含むときであっても、全乗車区間について当社線を利用した場合の第38条の規定による当社のIC運賃
(3)別に定める乗継割引適用区間又は他の鉄道会社が定める割引適用区間が乗車区間に含まれる場合は、第1号の規定により算出した金額から当該割引額を差し引いた金額
2号の「乗車区間の入場駅及び出場駅が当社線となる場合は、両駅間の経路に他の鉄道会社線を含むときであっても、全乗車区間について当社線を利用した場合の第38条の規定による当社のIC運賃」が根拠です。38条は次のとおり「最も低廉となる運賃計算経路」で支払うという意味の規定です。
(Suica乗車券を使用する場合のIC運賃の減算)
第38条 Suica乗車券を第22条第1項の規定により使用する場合、出場駅において、入場駅から同一の取扱区間内を経由して最も低廉となる運賃計算経路で算出したIC運賃(第29条の2の規定によりIC運賃と鉄道駅バリアフリー料金とをあわせ収受する場合は、その合算額。以下この章において同じ。)をSF残額から減算します。この場合、小児用のSuica乗車券においては小児のIC運賃を、その他のSuica乗車券においては大人のIC運賃を減算します。
これで、間にPASMO事業者が入っても最短経路で計算されることが分かったと思います。
2 年末年始大回り乗車で使えるのか
間にJR以外を挟んでも改札を出なければ大回り乗車可能なことは分かりましたが、年末年始大回り乗車に使うには、有効期間のの問題が残っています。
(Suica乗車券の効力)
第40条第22条第1項の規定により使用する場合のSuica乗車券の効力は次の各号に定めるとおりとします。
(1号~3号 略)
(4)入場後は、当日に限り有効とします。
このように当日限り有効という限定があります。東京メトロのICカード乗車券取扱規則 にも同じ規定があります(17条1項3号)。
そうなると、0時前に乗車して0時過ぎに降りる場合に支障があるように見えます。そこで適用されるのが継続乗車制です。JRと東京メトロの規則を確認します。どちらもICカード乗車券の規則に定めがない場合は旅客営業規則もしくは旅客連絡運輸規則が適用となります。今回の場合は、JR→メトロ→JRと2社にわたっているため、連絡運輸規則が優先適用されます。しかし、1条2項に従うと、別表を外れた運送契約には適用できないので、ここは類推適用と考えるしかないでしょう。
【東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則】
(適用範囲)
第1条 東日本旅客鉄道株式会社(以下「当社」という。) の経営する鉄道と当社の管内に所在する連絡会社の経営する鉄道・軌道・航路又は自動車線との間の旅客の連絡運輸並びに当社線、当社を除く旅客会社の経営する鉄道と当社を除く旅客会社の管内に所在する連絡会社の経営する鉄道・軌道・索道・航路又は自動車線との間の旅客の連絡運輸(以下これらを「連絡運輸」という。) については、別に公告する場合を除いて、この規則を適用する。2 当社と連絡運輸を行う連絡会社・経由運輸機関名及び区間・接続駅・乗車券類の種別及び特殊取扱事項は、一時限りの連絡運輸を除いて、別表に定める。
(準用規定) 第79条 旅客規則第147条から第153条まで、第155条、第158条から第161条まで、第164条から第168条まで、第170条から第172条まで、第172条の3から第174条まで、第176条、第182条の4及び第182条の5の規定は、この章に準用する。
このうち155条が後掲の継続乗車の規定です。
連絡運輸規則の類推適用ではなく、旅客営業規則の類推適用と考えても同じ結論が導けます。赤色を読んでいってくだされば十分です。
なお、今回の場合、連絡運輸規則を用いるべきなのか、JR区間はJRの旅客営業規則、東京メトロは東京メトロの旅客営業規則を用いるの判然としません。というのも、ICカード乗車券の場合は、入場時に運送区間が決まってないので、当初から連絡運輸となるのか不明だからです。なので、実態からすれば、他社線に踏み出したところで連絡運輸に切り替わり、連絡運輸規則を用いるのが正当なのではないかと思うところです。
【東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則】
(適用範囲)
第2条
当社線及び当社線と他の旅客鉄道会社線に係る旅客の運送等については、別に定める場合を除いて、この規則を適用する。
(注)他の旅客鉄道会社相互発着となる旅客の運送等については、当該旅客鉄道会社の定めるところによる。
(継続乗車)
第155条
入場後に有効期間を経過した当該使用乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、その券面に表示された着駅までは、第147条の規定にかかわらず、これを使用することができる。この場合、接続駅において設備又は時間の関係上、旅客を一時出場させて、列車に接続のため待合せをさせるときは、指定した列車に乗り継ぐ場合に限り、継続乗車しているものとみなす。
ICカード乗車券の場合、券面に表示された着駅はありませんが、旅客が目的とする着駅がこの規則のいうところの着駅と考えるしかないでしょう。
【東京地下鉄株式会社 旅客営業規則】
(適用範囲)
第2条 当社線による旅客運送については別に当社が公示する場合を除いてこの規程によるほか、この規程に定めのない事項については、東日本旅客鉄道株式会社(以下「旅客鉄道会社」という。)公告の東日本旅客鉄道株式会社旅客営業規則(昭和62年4月東日本旅客鉄道株式会社公告第4号)を準用する。他の鉄道又は軌道と連絡運輸する場合は、別に定める場合を除いて旅客鉄道会社所定の旅客連絡運輸規則(昭和62年4月1日東日本旅客鉄道株式会社公告第21号)の定めるところによる。
(継続乗車)
第80条 入場後に有効期間を経過した当該使用乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、その券面に表示された着駅までは、第72条の規定にかかわらず、これを使用することができる。
わかりにくいので、できの良い体系ではありませんが、結論としては、一度、改札を入ってしまえば、何日間であろうと、通算されることとなります。12/31の始発で入場し、1/1を超えて1/2になっても終列車となって駅を追い出されるまでは乗り続けることが可能であるし、下車した際は、最安経路での運賃計算となります。逆に東京メトロ→JR→東京メトロのようにPASMOの間にSuica区間を入れることも可能となります。
ということで、年末年始の終夜運転を挟めば、JRだけではなく、関東のほかの民鉄も含めてとんでもない大回り乗車が可能となりそうです。ルートがどうなるかはほかの方にお任せします。体力のある方はやってみてください。
※紙の乗車券では連絡運輸の区間となっていなければできませんし、その場合は接続駅が決められているので、同じようなことはできません。接続駅さえ通れば、遠回りすることは可能です。
