旅と鉄道の美学

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【営業規則系】 絶滅危惧種 着駅での途中下車印(往復乗車券で押すパターン)

 今回はこちらの往復乗車券です。

 マルスや自動券売機の乗車券に慣れている方には不思議に思われるかもしれませんが、これで往復分です。むかしは車内補充券でも往復分を1枚で発行していましたが、現在の車内補充券発行機では2枚で出します。駅発行の特別補充券で往復で出す場合は、今でも1枚で発行されます(新下関・博多間を新幹線と在来線に分けて往復する場合は除く。)。連続乗車券は2枚発券になっています。

 

 さて、1枚で出した場合は少し困ったことが起きます。

 途中で往路なのか復路なのかがわからないわけです。そこで、基準規程144条3項では、1枚で発行された往復乗車券と連続乗車券では、着駅や打ち切り駅で途中下車印を押すこととなっています。途中下車印欄もよく見ると「往」「復」に分かれているように、それぞれ往路か復路かによって押す位置が変わります。

 

 なかなか真面目に押された乗車券はないのですが、見つけた1枚が上のものです。この乗車券は剣淵から帯広までの乗車券で、往路使用済みの意味で着駅の帯広の途中下車印が押されています。ちなみに、下部にある入鋏は帯広駅の形なので、おそらく復路で乗る際に二つ入れられたのだともいます。剣淵が無人駅なので、復路で入鋏がなく、それに気づいた帯広駅の改札掛が入れたのでしょう。○にネは根室車掌区の検札鋏のようです。

 

 こちらは駅発行の改札補充券です。往復を1枚で売っています。このように昔の改札補充券や社内補充券では往復を1枚で売っていました。

 

 こちらは七尾車掌区の入鋏式社内補充券ですが、往路と復路を別々に発行する様式になっていますね。JR東日本長野支社、JR西日本金沢支社はこのような2枚方式をとっていたようです。

 

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 本ブログはここで終わりません。

 どこかで1枚で発行される往復乗車券は簡単に手に入らないものか。。。探してみました。花火がありますよ。熊野花火と諏訪湖花火の常備券。

 「このきっぷをお見せいただくだけで結構です」ときちんと入っているところは、さすがですね。本条の規定を意識して途中下車印を省略する意図が隠されているようです。この注意書きからは、途中下車印を押してはいけないというルールは出てきませんので、頼めば押してもらえると思います。青春18きっぷと同じですね。あれも、途中下車印は省略できるという内部通達があるのですが、記念目的の客にはサービスで押しています。

 ついでに復路の入鋏印も押してもらったら記念になるでしょう。頼むときは空いている時間に行ってくださいね。この花火列車の発着時はめちゃくちゃ込みますので。

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