意外と勘違いしている方が多いので、大回り乗車のおさらいをしておきましょう。
いわゆる大回り乗車は、下記のような近郊区間を大回りする旅行の俗称です。
もともとこのような区間は乗車券の経路に関係なくぶつからない限りどこを通っても良いというルールがあります(旅規157条2項)。それに、実務上、最短とならない乗車券は基本的に売りません。なので、この制度を逆手にとって、最長片道きっぷばりに遠回りをするような「大回り乗車」をする方がいます。しかも、年末年始は終夜運転を間に挟むことで、3/31の朝から1/1の終電まで旅ができてしまいます。ただし、改札を出ることはできません(浜川崎は除く)ので、相当過酷な旅であることは事実です。
新潟の場合で実例を見てみましょう。
東京と同じように、最短経路の乗車券で、この区間内はどの経路を通ることも可能です。
これは券売機から発券されたものです。新潟から190円区間ですので、隣の白山まで行けますが、経路は、新発田→新津→宮内→柏崎→白山でも良いわけです。
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では、経由が書かれている乗車券はどうなのか。
この点を誤解されている方が多いのですが、効果は同じです。
運賃計算経路が書かれているだけで、記載されている経路に限定されるわけではありません。このような誤解が生じる理由は、時刻表にある「乗車券の運賃は実際の乗車経路にかかわらず、最も安くなる経路を使って計算できます」という言い回しです。できますというか、それしかやらないんですけどね。
規則に忠実に従うと、エリア内でどのような経路の乗車券であっても、経路に特定されずに向かうことができるということなのですが、あまり知られていません。だから、券面上の経路で乗らないといけないと勘違いしてしまうのです。この信越本線経由の乗車券は新発田をまわることもできるし、宮内をまわることもできるのです。
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本ブログはここで終わりません。さらにマニアックに追求したい人向けです。
北千住から綾瀬の乗車券で大回り乗車ができるのか?
できますが、140円150円ではできません。実際に最短で買おうとすると、140円150円の乗車券は東京メトロ経由しか売ってもらえないので、JRは乗れません。
※値上がりしたことを忘れていたので、訂正しました(2023.5.4)
ちょっとヤフーに入れてみました。
この150円は間違いですね。運賃計算キロから算出すると、56キロ(小数点未満切り上げ)なので、950円となります。950円の乗車券を購入すれば、北千住・綾瀬間で大回り乗車が可能ということです。ただし、北千住→綾瀬だけを乗る場合は、東京メトロでカウントされるので、この乗車券で北千住・綾瀬間だは乗れません。亀有まで行ってしまえば、20円の乗り越し精算で終わります。