旅と鉄道の美学

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【切符系】 ミスキップに遭遇したら幸運があるかもね。

 キップは有価証券にあたり、チェックは厳格になされますので、ミス自体が非常にレアなものとなります。間違いの理由を探ると、背景となる事情がわかっておもしろいですね。

 大量のキップをもっている私でも、なかなかミスキップには遭遇しません。もし、出会ったらお守り代わりに財布に入れておくとよいでしょう。ただし、最近は機械発券のものばかりなので、ミスがあってもすぐに直されてしまうでしょうね。 

 

  活字の組み方をミスった例

 

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 活字で一つ一つを 組み合わせていた時代ですね。車多すぎです。正しくは自由席車です。

  

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 パッと見は分かりませんが、よく見ると、200円区間から?

 矢印が逆です。

 

 写植文字の打ち込みをミスった例

  

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 万葉線の記念乗車券ととして発行ではなく、発されたものです。パソコン時代ならではの間違いですね。 

 

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 制度を勘違いしたと思われるミス

 

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 間違っているのは2日間有効の部分です。それにともなって、通常は入っている「下車前途無効」も抜け落ちていますので、それぞれゴム印で追加してあります。

 この間違いは非常に奥が深いといえます。

 というのも、下記の記事にあるように伊豆急行は当時、24キロを超える区間は途中下車できる制度がありましたし、国鉄連絡で101キロ以上でも途中下車できるので、制度が複雑だったのです。河津からの乗車券をそれぞれの駅まで買った場合を図示すると、こうなります。

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 沼津まで101キロ以上あると勘違いして原稿を印刷会社に出したのではなかろうかと思います。

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  ★  ★

 

 ここからは、ミスとはいえないと思いますが、なんか変なものということで。

 

 なぜかそこだけ縦書き

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 なぜなんだ?

 

 旧字表記

 

 昭和62年で峽ですよ。

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 これは活字の関係ですかね。でも、発行駅のところは現在でも使われる峡なので、活字がなかったわけでもないようですし。

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 小児用ですが、昭和61年は普通ですね。

 

 発駅と着駅が同じ?

 

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 実は別の駅なのです。下記参照。 

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 発行駅が違う?

 

 国見駅なのに仙台駅発行?

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  管理駅が仙台というだけです。仙台駅の駅員がやってきて国見駅の駅員代行をしているわけですね。昭和の後期から主幹駅が近所の小さな駅を管理する事例が増えており、その一つです。76というのが窓口番号で、仙台駅の76番窓口の売上に相当するという意味でいいと思います。ただ、76か所も窓口があるわけではなく、おそらく71番からが管理先の駅の窓口番号なのでしょう。

 

 なので、下記の和田岬駅の領収書に違和感を感じたわけです。しかも、この券売機は兵庫駅に置いてありますからね。

 

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 間違いだらけ?

 

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 訂正しまくりの入場券。効力は同じでも、見た目は醜悪です。理由は下記。

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 無料の入場券?

  なぜ0円なんだ?

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 記念券として発行されたものです。これらの駅は既に無人駅あるいは簡易委託駅になっていたので、入場券自体が制度上、あり得ません。

 

 真っ赤な入場券

 

 インクを間違えた?わけではありません。
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 2等っていつの時代やねん?

 

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 昭和45年に等級制は無くなっていますから、14年も放置ですね。というより、もったいないし、面倒だからそのままなんでしょうね。 

 

 社名まちがってね?

 

 ビジネス上は相手の社名を正確に表記するのは基本のマナーですね。

 JR東海バスと名鉄バスの共同運行便の乗車券です。裏面を見てください。おなじ名鉄グループでもバスは「名鉄バス」では?と、最初に思いました。

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 小さいころから名鉄バスという名称でなじんでましたからね。しかし、調べてみると、2004年(平成16年)に名古屋鉄道の自動車事業部門が分社化されて名鉄バス株式会社が設立されていますので、この乗車券が発行された当時は名古屋鉄道で間違いないのです。

 あやうく間違いキップとして紹介して恥をかくところでした。

 

 途中駅ができて補充された文言

 

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 もともと東海道線金山駅はありませんでしたが、名鉄の金山橋が金山駅になって、金山(総合)駅が登場した時に東海道線にも駅ができました。(中)は中央本線の意味で、根室本線金山駅と識別するするために表記されています。ここにかつて中央本線の駅だった名残がありますね(いまでも籍は中央本線です。)。

 その後、名古屋と金山駅の間に尾頭橋駅ができたので、「途中下車前途無効」というゴム印が入ったのですね。

 

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