自分で住んだり、社員の社宅を探したり、マンスリー事業を企画した経験などから、若干のポイントを解説していこうと思います。いちおう仙台、東京、名古屋、大阪、北九州、福岡で経験があります。
総務担当者向けと実際に住む方むけです。総務担当者としては、できるだけ安くということでしょうが、実際に住む方は、できるだけ快適なほうがいいですよね。それぞれの視点から選ぶ基準を挙げてみますので、参考にしてください。
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さて、まず、マンスリーやウィークリーを選択するかですが、おおむね6泊から検討してよいと思います。これ以下ですと、清掃費や契約手数料などの関係で、ホテルのほうが安くなることが多いですね。ただ、最近はコロナ禍の影響でホテル相場もだいぶ下がっていますので、朝飯や清掃がついているホテルの方がいいかもしれません。
事業者はおおむね下記の形態に分かれます。
① マンスリー・ウィークリー専門業者
マンスリー専門の会社やマンスリー事業部をきちんともって運用しているような会社です。ノウハウがしっかりしているので、一般的に対応は早いですが、転貸で運用している関係上、費用が高い場合もあります。
質はピンキリです。具体的に当たり外れの会社を知りたい方は個人的に聞いてください(業界関係者なので、ここには書きません。)。
② 管理会社
不動産管理会社が入居率に伸び悩む物件をマンスリーとして運用しているような場合です。地場の小規模な不動産屋が行っていることが多く、夜間休日などの対応が遅い時もあります。また、片手間でやっているような会社だと、家具やアメニティがダサいことが多いですね。
③ サービスアパートメント
近年、都市部で外国人向けに増えている形態です。コンシェルジュ付きで、英語、中国語対応のよろず承り窓口をおいた大規模な建物が多かったりします。欧米系外国人の出張者を泊まらせる場合にお勧めです。東京と大阪、福岡あたりでしか目にしません。
④ 民泊
どちらかといえば、数日程度を前提にしていますが、1か月も契約可能です。まだ、出だしたばかりで玉石混淆の感があります。無許可の物件もありますが、防災や防犯面を考えると無許可はさけたほうがいいでしょう。
⑤ 家主直
コロナの影響が出る前は個人でされている方もbookingなどでちらほら見ました。
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それでは、各論に入っていきます。
1 契約系
① チェックイン時間・チェックアウト時間
これは結構、重要です。ひどい場合は、チェックイン15時、チェックアウト11時などがあり、せっかくスーツケースを置いてから営業先を回ろうと思っても、駅のコインロッカーに入れるしかなくなってしまいます。一般的には、チェックインは10時から13時が多いと思います。チェックアウト時間はおそいところで18時というところがあります。自分のスタイルに合わせて選べばいいでしょう。
私はチェックイン13時、チェックアウト15時という物件をよく使います。
② 個人契約可能か
一部には法人しか受け付けていない場合があります。これは、個人契約の場合は質の悪い入居者がいるので、排除したいからです。法人契約の場合は、入居者本人に文句を言ってダメなら、法人に言ったら効果てきめんだからです。
私自身も以前は担当物件をもっていたのですが、法人契約の多いマンションは本当に楽ですね。マナーも守ってくれるし滞納もない。
③ オプションを確認する。
見た目の家賃は安くても、食器やアメニティ類がまったくそろってなくて、追加すると結局、高くつく場合もあります。標準設備だと、カップめんしか作れないじゃないかって物件もありました。
民泊の場合は、洗濯機が置かれてない場合も多いです。
④ NHK受信料
これが意外と盲点です。管理会社で払っているかは50%です。NHKと闘う方法もありますが、結構、うっとうしいですよ。
⑤ 損害保険
これは、ほぼ100%はいっているでしょう。入っていない会社には出会いませんでした。ただ、家財の関係は確認した方がいいと思います。上階からの水漏れで自分の持ち物が濡れてしまって、上階が保険に入ってない場合ですね。上階が一般賃貸だとありえますので、そのあとの損賠賠償請求で闘うのは大変です。保険に入ってない相手ほど、常識がない人が多いので、ごねてきます。わたしも仕事では、平気で裏切る入居者とさんざん闘いました。
総務に確認してもらって、オプションで入るといいでしょう。
⑥ 諸経費
基本料金を安くして、ネットで検索にヒットしやすいようにしている会社があります。で、契約事務手数料、清掃費、追加リネン、ネット接続費など、ふたを開けたら結局、高いという話にもなりかねません。
2 立地系
仕事先への距離や通勤経路はもちろんのこと、スーパー、飲食店(定食系)、コンビニなどとの距離が重要になります。私は、自炊率が高いので、スーパーを特に重視しました。昼も帰って家で食べてましたので。
福岡でライブハウスのすぐ近くでは、深夜まで ひどい目にあいました。
繁華街に住むと下記のような感じで夜中の声が気になることがあります。
3 構造・設備系
① 分譲賃貸
一部のぼったくり分譲開発会社以外は賃貸より良い造りとなっているので、遮音性や建具や設備のグレードが高かったりします。特に住みだすと、防音性能や断熱性能の充実度が良くわかります。見た目だけのデザイナーズにごまかされず、自分が本当に快適に生活できるかよく見た方がいいです。
② 喫煙可否
これは結構、重要です。室内でタバコが可能な部屋だと、カーテンなどがすすけているので、喫煙者であってもつらいでしょう。
③ ペット可否
これ重要です。鳴き声で迷惑するという話はあまりありませんが、エレベーターが臭い!共用廊下などは清掃されるのですが、エレベーター内の養生マットなどにシミがついたりすると臭いのです。
一般賃貸の一部がマンスリーになっている場合は、ペットの可否を確認し、ペット不可を選ぶと良いでしょう。
④ 駐輪場
マンスリーに住むような方は自転車は持たないと思いますので、駐輪場の可否はあまり関係ありませんね。それより、オプションで自転車がついている物件もあるので、これは通勤などに重宝します。
⑤ 宅配ボックス
これも一人暮らしの必須アイテムですが、マンションの設備としてはあっても、使わせないパターンもありますので、事前チェックが必要です。これがあると便利です。長期出張ですと、ネットで買い物をすることがあるので、家族に受け取ってもらうという手段が難しいですからね。
⑥ WIFIの接続方法とスピード
ネットが込みかどうかは誰でも確認すると思いますが、wifiに対応しているのか確認が必要です。更にはwifiでも、端末の貸出対応だとすると、上限が決まっていることが通常なので、不便極まりないです。
4 備品・消耗品系
単に家具付き賃貸を短期貸しするだけの何もそろってない物件などがあるので注意を要します。
特に食器類が全然なくて、料理ができないような場合もありますからね。
さらに、タオルやシーツなどの数も確認した方がいいです。充実したマンスリー会社の場合は予備もあるので洗濯してローテできます。
5 忘れがちなもの
思い出せる限りですが。
歯ブラシセット、寝間着、傘、LANケーブル(WIFIより安定する)、爪切り、耳かき、サンダル(意外と近所に売ってない)、ドライバー、延長コード。
6 裏技
これは総務さん向けですが、特定のマンスリー会社を使うようにしておけば、いろいろと融通を効かせてくれます。本来の申込期間より前に受け付けてもらえたり、あらかじめ内覧をさせてもらったり、仮止めをしてくれたりです。一番大きいのは値引きしてくれる点などですね。
まあ、どれもビジネスでは当たり前の交渉ですが、営業や購買系を担当している人以外は意外と相見積提示や包括値引きなどの感覚がない方が多いですよね。
マンションって値引き交渉できるんですよ。