旅と鉄道の美学

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【鉄道部品系】 黒い腕章・・・鉄道公安職員の腕章

 今度は黒い腕章です。

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 「警乗」とは、警察官が列車等へ乗車して警備警察活動等を行う行為の総称です。一般的に鉄道警察隊は、スリやチカンなどを警戒して私服での警乗勤務が多いようですが、新幹線などはときどき制服の警察官を見ますよね。そういった列車に乗車して列車内で警察活動をするのが任務です。「さすらい刑事旅情編」が懐かしいですね。

 

 しかし、国鉄時代は、一般の警察は駅や列車内にはあまり立ち入らず、鉄道公安職員がメインで行っていました。一般には「鉄道公安官」の名称の方が通りがいいかもしれませんね。その警乗でつけていた腕章がこれです。車掌の腕章にくらべると荘厳な雰囲気です。

 

 実は私自身、本物の鉄道公安職員は一度も見たことがありません。ものごころついたころには、まだ国鉄は存在したのですが、鉄道公安職員という職種があったことを知ったのはJRになってからなので、既に、鉄道警察隊に替わっていたからです。どこかで出会っていたのかもしれませんが、気に留めなかったから気づかなかったんでしょうね。

 

 とりあえず映画「新幹線大爆破」で鉄道公安職員の役だった竜雷太でも挙げておきます。こんなイメージです。きちんと「警乗」の腕章をつけていますね。

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 ちょっと残念なのが、「公安官の菊池です」と言っている点ですね。さすがに忠実なこの映画も、ここは気づかなかったようです。でも、ひょっとしたら、国鉄内部でも俗称で通っていたのかもしれませんね。

 

 何か手持ちの資料が何かないか探ったら、これがありました。こんな雰囲気で警備していたということですね。

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 コロタン文庫の『国鉄全線全百科』のSLやまぐち号の特集です。鉄道公安職員の職務には雑踏警備も含まれており、SLやまぐち号の運転日には繰り出していたようです。撮り鉄対策もしていたようなので、線路に立ち入るような輩がいたら、逮捕もありえたでしょう。駅だけではなく、軌道も警備範囲ですからね。

 

 ちなみにJRになったときに、ほとんどの方が地元の警察に警察官として転職したそうです。階級に応じた職種にスライドできたそうですので、国鉄改革の中でも満足のいく転職ではなかろうかと思います。

 と、あいかわらず厳しい人生を送っている就職氷河期の私が語ってみました。

 

 なお、鉄道公安職員の職務内容に関する本は下記を推薦しておきます。 

  

 こちらも、「カレチ」と同様に人情話が満載で面白いですよ。

  

 

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