イベント会場の最寄駅でよく言われていますね。帰りの窓口は混雑します。あらかじめ帰りの乗車券を購入してくださいと。
でも、アンコールで終了が遅れて、0時を過ぎてから帰宅しようと思ったら、持っている乗車券は使えるのでしょうか。そうでなくても、3次会ぐらいまで呑んでいたら、23:59に乗車券を購入して、0:01に改札を通る人は普通にいますよね。
近郊区間や100キロ以下の乗車券には通常このような記載があります。
発売当日限り有効。
この文言に従えば、前日に購入している乗車券は、その有効期間当日内に乗車するのがルールで、原則は無効となります。しかし、旅客営業規則280条から、係員に提出することで翌日まで有効期間の延長が可能という制度があります。
かつて夜行列車が夜中も頻繁に発着したりする駅や連絡船の接続駅などは24時間開いていたので、このような事態が頻繁に起きて、それに対処するための制度ですね。
では、世の午前様たちも同じように申告する必要があるのか。そんなことにすると、深夜の新宿駅などでは改札が長蛇の列になってしまいます。しかも酔っている人が多いので、話になりません。
そこはうまくできたもので、旅客営業取扱基準規程346条には「その乗車駅において最終の列車等と認められるものについては、その証明があるものとみなしてその取扱いをすることができる」とありますので、改札口で前日の乗車券を見せたら乗車可能です。
自動改札機の場合は、これを自動認識している設定と思われます。私自身は意図して実行したことはありませんが、東京にいたときは終電間際で帰宅することも多かったので、自然と経験していたと思います。
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では、大みそかの場合はどうなのか。12/31に購入した乗車券で、1/2の0時すぎに乗車できるのか?12/31から1/1の終夜運転を実施している区間で疑問になりますね。
乗車(改札に入る。無人駅なら列車への乗車)が1/1でないとだめでしょう。ぜひどなたか実践してみてください。
つまりこういうことです。12/31に購入した乗車券は、ここまで記述しているように旅規280条の規定で1/1も乗れることになります。
1/1の24時までを基準基程346条の「最終の列車等」の「等」に含めて理解する形です。
加えて、1/2は12/31の翌日ではないので、旅規280条から無効となります。
たしか自動改札もそのような設定に変更した記憶があります。
ただし、1/1に改札を通ってしまえば、別に継続乗車の制度がありますので、1/2になっても目的地まで到達することは可能です。改札を通るための例外規定と改札を入ってからの例外規定の適用というダブル例外規定のフルセットです。
この場合、1/2になった降車駅の自動改札機は通るのか疑問がわきます。たぶん通らないでしょう。「係員のいる窓口にお回りください」になって、有人改札で事情を訊かれてから下車することになると思います。さすがにここまでのイレギュラーに対応するプログラムが組んであるとは思えませんので。
(乗車後に日付が変わった場合)
(青春18きっぷの場合)
(参考記事)