旅と鉄道の美学

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【切符系】 ここは戦前か? バスの回数券を購入するための儀式一切。(愛知県・新城市・鳳来総合支所)

 ひさびさに「ザ・お役所仕事」を見てしまったので、取り上げてみます。ITだなんだってと言っている時代に、びっくりするぐらいの効率の悪い仕事ぶりですわ。いつの時代の役所やねんと、笑ってしまいました。

 新城市はこういった交通事業を行うのは初めてなので、担当部署が見よう見まねで頑張ってやっている点は察しますが、お役所根性丸出しでちょっとカッコ悪いですね。 

 

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 今回、この回数券を購入するために愛知県の新城市にある「鳳来総合支所」に寄ってみました。新城市では、地元の豊鉄バスが撤退した路線を中心に市バスを運行していて、その回数券を発売しています。

 ちなみに合併前は鳳来町の役場だった建物です。飯田線本長篠駅の近くですね。 

 

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 これはバスから撮影した風景で、右にあるのが鳳来総合支所です。

 

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 1Fのカウンター前にキップ収集家の血を騒がせる看板がありました「市営バス乗車回数券販売所」。ちょっと名称が変ですね。通常は「普通回数乗車券」といいますからね。こういったあたりで慣れない様子が見て取れます。

 

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 ということで、時代錯誤な対応を見てまいります。

 窓口で購入を申し出ると、金額式の回数券なのに「どちらの路線にのられますか?」とのいきなり変な質問です。回数券が路線によってちがうのかなと思いつつ、「乗らないですよ。回数券がほしいだけです」とお決まりの返答をするも、窓口氏の眉間はまったく動かない。これは予想外でした。

 地元密着なバス路線だと、まだまだ趣味でキップを集めている的な人が少ないので、たいてい窓口氏の眉間にしわが入るのですが、その様子がまったくありません。田舎の役所にありがちな無駄に泰然自若な雰囲気でしょうね。

 

 そして、出てきたのたのが下の「新城市営バス回数乗車券・定期券購入申込書」

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 団体乗車券や定期券の購入で申込用紙を記入することはありましたが、回数券で申込用紙とは驚きです。しかも、無用な個人情報の取得を避ける時代に住所、氏名、電話番号の記載欄つき。

 さらに不思議なのは、定期券の記入欄がない。別に定期券用があるとしたら、フォーマットが2種になるので、これまた非効率ですね。同種の書類というのはある程度合体させたフォーマットにしないと効率が悪いんですよ。ビジネス上の基本です。

 視線を下に落とすと、係⇒主査⇒係長⇒副課長⇒課長の稟議欄。回数券の購入一つに豪華絢爛な申込用紙です。趣味で購入だと却下とかあるんかなって思いましたわ。まあ却下されたら、行政不服審査請求でもしますかね。

 

 

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 とどめはこちら。窓口氏はパソコン画面に打ち込んで、離れたプリンタに用紙をセットしてせっせと印刷していましたわ。

 

 といことで、領収書をいただいたときは、「この手際の悪さはさすがお役所ですな~」と嫌味を言ってしまいました。私は仕事柄、役所のチンタラぐあいには慣れているのですが、気の短いオッサンだったら、文句言うでしょうね。

 

 ただ、ちょっとフォローしておくと、社会福祉法人や商店街とかでまとめて購入して、後払いということも想定されるので、このようなやり方も意味があるのだと思います。

 

 最後にこの回数券の出来の悪いところを指摘しておきますと、券番がないこと。券番を付けることによって在庫管理や売上金の効率的処理、横領の防止に役立ちますからね。乗車券類管理の基本です。カラー印刷にするぐらいなら、モノクロ印刷にして、券番を入れる方に予算を使った方がいいですね。その予算が無い場合は、ナンバリングで手打ちすればいいのです。

 

 ちなみに、藤が丘・長久手古戦場までの回数券も購入可能です。

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リンク⇒ Sバスの回数券・運賃割引・定期券について:新城市

 

 

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