まずいコンビニ弁当を食うぐらいなら、ラベルを貼り替えられて傷み出した駅弁(※)の方が良いというマニアは私だけではないはず。駅弁というのは駅で売っていることに価値があるのであって、うまいとか、まずいなどといったゲスな評価をするものではありません。もっと崇高な物なのです。
できれば、KO百貨店の駅弁大会などではなく、実際に現地で購入して食べたいですね。
※ 売れ残った駅弁のラベルを貼りかえて販売するという都市伝説が語られていますが、たぶん本当にあったと思います。私も、ある駅で購入した駅弁に当たって、夜行列車で一晩中苦しんだ小学生時代の冬休みを思い出します。もちろん腹痛に苦しみながらも、途中下車とスタンプ押印、入場券の購入は根性でこなしました。
というわけで、今回のテーマはこちら。
駅弁です。
駅弁の定義
あまり厳格なものはありませんが、一般的には、最狭義として「一般社団法人日本鉄道構内営業中央会」への加盟団体の販売する物が駅弁とされます。この場合は、JRの駅構内での営業が前提とされているので、必然的にJR駅に限定されてしまいます。
このマークがついている弁当ですね。
広義として、駅構内で売っている弁当という考え方もあります。会津鉄道の会津田島駅の事例を見てみましょう。JR以外の駅であることともあいまって、グレーゾーンですね。
まずJR以外の駅で売られているものを駅弁から除外する意見はあまりないと思いますので、鉄道であれば含めてよいのだろうと思います。
このように駅弁風からコンビニ弁当風までそろっています。
こちらはスーパーの総菜コーナーやコンビニにありそうな弁当。
こちらは近所の弁当屋さんが駅の売店に卸しているもののようです。
パッと見の印象では、上のコンビニちっくな物は除外して、下の物を駅弁として入れ込んでよさそうです。そうなると定義が難しくなりますが、「駅構内で売られている(狭義の)駅弁もしくは類似する弁当」とでも言っておきましょうか。
なんか、理屈っぽい出だしになってしまいました。もう皆さん気分で決めてください。
駅弁マークの駅
それでは、実際に駅弁マークの駅をみていきましょう。
まず駅弁マークは時刻表を見るとこのように表記されています。JR版の時刻表からは少し前に消えてしまいましたが、JTB版はまだ残っています。さすが旅を売る会社ですね。実用性はあまりありませんが、旅情をかき立てるアイテムは残しています。
コンビニなどが無い時代は、地方で食料を入手するのも結構、難儀なので、駅弁マークを頼りに食料の仕入れ計画を立てたものです。この阿波池田駅も既にマークはなくなっています。先日行ったときには、コンビニが同居していました。
ちなみに2:31発の列車は高松発中村行きの夜行普通列車です。
では、昔の阿波池田駅はどうだったのでしょうか。思い出すのが、武田鉄矢主演の「刑事物語4 くろしおの詩」の出だしです。
片山刑事は5分停車で駅弁を購入するわけですが、おつりをもらい忘れて、さらに転んで弁当を落としてしまいます。
で、1個を拾い忘れて売店のおばちゃんに追いかけられるも間に合わないというオチです。ただ、国鉄時代を知っている人なら、この程度のことならグリーン車に乗っている車掌長に渡せば受け取ってくれたと気付くと思います。あるいは扉を締めずに待っていてくれたか、ブザーを鳴らして止めてくれたと思います。まあ、そんなツッコミはどうでもいいでしょう。
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さて、現在の駅弁屋さんというと、おおむねこんなイメージでしょう。新大阪駅です。
これは米原駅の在来線ホームです。木製のカウンターがいいですね。ここも北陸新幹線が開通したらなくなってしまうのでしょう。
※コロナ禍の影響ですでに廃業しているようです。
まだ存在する典型的なホームの駅弁屋さんです(南千歳駅)。
お気に入りの駅弁の売店はこちら。2018年まで残っていた「ザ・昭和な駅弁屋」です。
このときは車で立ち寄ったのですが、店舗の風情が気に入り、わざわざ入場券で入って、弁当を購入してきました。ローカル線の駅、くたびれた木造、小さな店舗など、国鉄な駅弁屋さんの模範的なスタイルだと思います。本当はこれでキハ58系などが入ってくると加点ポイントなのですが、ここは電車です。
2018年まで残っていたのが、本当に奇跡です。令和まであってほしかった。現在は、解体されてしまっているようです。
さらに、よく見るとピンクの電話機があります。これでリーチがかかります。あとは店員さんが愛想の悪いおばちゃんだったら、一気に役満であがりですね。
この駅は小学生のときに立ち寄って、なぜかその時に勤務していた運転主任さんと仲良くなって何回か年賀状のやり取りをしたのが懐かしい思い出です。国鉄時代の駅員さんはマニアに優しいところがあって、いろんな駅で良くしていただきました。
こちらは津山駅の売店跡です。往年時は、駅弁がバンバン売れたのでしょう。SLの煤と飛散したオシッコにまみれながらおいしく駅弁を味わえた時代です。
この他に立ち食いそば屋と一緒になっているパターン(上記の米原駅)や、 深夜も営業していた駅弁屋さんがありました。立ち食いそば屋と一緒のパターンは飯田線の天竜峡駅が印象に残っています。天竜峡駅はプラのカップにそばを入れてくれて、わずかな停車時間でも列車に持ち込んで味わうことができました。
深夜の駅弁屋で有名なのは、大垣夜行停車時の静岡駅です。グリーン車付近でカートに乗せて売っていて、停車してすぐに買わないと、売り切れになりました。 私も何回か購入した記憶が残っています。
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では、現在の時刻表で「弁」がついている駅を確認してみましょう。大きな駅を取り上げても面白くないので、頑張っている感のある駅を確認してみましょう。でも、正直な感想では、ここに挙げる駅は絶滅危惧種としてはかなり危険な状況でしょうから、通る時があれば是非、買ってあげてください。個人的には、東京駅の大きな駅弁屋さんなどより、本当に残ってほしい駅弁屋さんばかりです。
ここに駅弁があるとは、本当に驚きです。代行バスしか走ってないですからね。今回の記事で一番行ってみたい駅ですし、一番応援したい駅弁です。
2020/12/01追記
現在、弁当については休止中です。下記参照。
森駅(函館本線)
超有名駅弁の 森のいかめしですね。恥ずかしながら、この弁当は駅弁大会で購入しただけで、実際に現地で買ったことがありません。鉄ヲタにしてはちょっと恥ずかしいところです。
リンク⇒いかめし阿部商店
洞爺駅(函館本線)
こちらも森駅と同様に応援したい駅です。
駅前旅館が作っている弁当ですが、存続が心配です。こちらも応援したい駅弁です。
リンク⇒玉屋旅館 | 大子町観光協会
横川駅(信越本線)
こちらも超有名なおぎのやの峠の釜めしです。
リンク⇒峠の釜めし本舗おぎのや
なぜ、みどりの窓口もないような駅に、、、という疑問が湧くと思いますが、本社が西都城駅の前なんですね。
駅弁の立ち売りで有名な折尾駅も応援したいですが、むしろ若松駅が心配です。
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次はJR以外の駅で、「弁」マークがついている駅弁屋さんです。
せっかくお昼時に訪れていながら、時刻表で見落としており、購入するのを忘れてしまいました。水戸駅のミスドよりこちらを購入するべきでした。。。
こちらは観光客も多く比較的残るでしょうね。
こちらは東京にもどる観光客などの重要がありそうですね。
こちらは多客時にあわせて販売されるものです。私が購入しようとしたら、寸前で売り切れてしまいました。