これは、今月卒業する人の学割証の写真です。
通常、学割証の有効期間は3カ月ですが、3/31で終了になっています。これは最終学年の場合は、卒業が前提とされているので、年度末で表示されるからです。
卒業しても3月31日まで使えるよ
ほとんどの卒業式は月末ではないので、それ以降も使って良いのか疑問に思うでしょう。たとえば3/23が卒業式の場合は、その日をもって学籍がなくなってしまうので、24日以降は学割証が使えなさそうです。しかし、そのあたりもきちんと規定があって、乗車券の有効期間の開始日が学年の始期と終期にかかっていれば有効なのです。始期は「学年の始まる月の初日」をいい、終期は「学年の終る月の末日」を示すことまでしっかり書かれています(以上基準規程45条)。取り扱いが煩雑になるのを防止するために、JRで統一基準を設定しているのですね。
ということは、4月始まりの学年を前提とすると、新入生は4/1から有効な乗車券を学割で購入できますし、卒業生は3/31から有効な乗車券を学割で購入できるわけです。極端な話、3/31から有効な最長往復切符を購入した場合は、7月まで学割のまま使いまくれるわけです。某スーツ氏にはお勧めの買い方ですね。
しかし、鋭い方は、学割の乗車券を使用するには学生証が必要では?との疑問が湧くと思います。検札のときに提示できなければ不正乗車になりそうです。最近では省略されていますが、昔は乗車券の裏に身分証明書の番号を記入する欄がありました。
まあ、学位記をしばらくもらわずに学生証を持っておくという方法もありそうですが、そこも規定があります。上記の45条をもとに発行された乗車券は「当該乗車券の有効期間中は、使用資格があるものとみなして取り扱うことができる」(基準規程138条)。つまり、3/31までに学割証を使って購入している乗車券は使用資格が認定されるので、学生証で資格証明をする必要がないのです。
そうでないと、仮に学生証をもっていても、4月以降はどう考えても無効なのですから、事実上、証明のしようがありません。疑われたら、免許証でも見せて、学校に電話してもらって、照会してもらったらいいでしょう。
なお、JR北海道などは購入時にも学生証の提示が必要ですが、卒業して返納してしまっている場合は、この規定を持ち出して本社に確認してもらったら、3/31までは売ってもらえると思います。
それから、この特例はJRのものですので、同じ学割証を使用する東武、近鉄や名鉄などが同じ運用かどうかは分かりません。
発行されるのは卒業式まで
学割証を発行してくれるのは卒業式までだと思います。卒業式までは学生の身分ですが、その翌日からは学籍がなくなるので、発行してもらう権利がないということですね。上記の学割証の有効期間とはずれますが、正しい措置です。
有効期間はJRが定めますが、発行する期間は学校が定めることです。
公立の中高では3/31まで学籍を置いている場合が多いです。
入社式へも学割で行こう(卒業生向けの裏技)
卒業生で、就職先への移動が決まっている人などは学割乗車券を予め買っておくといいですね。例えば4/3に入社式で、前日の4/2に東京から大阪に移動する場合は、3/31から有効の乗車券を購入しておけば、4/2も有効なので、学割で移動できるわけです。
ポイントは有効開始日が3/31にかかっていることです。
日数が足りない場合などは連続乗車券にして、捨てキップを加えてください。これで1日加算できます。方法は下記参照。