貨物に興味がない方も動画だけは見てみてください。
いちおう表題に間違いはないと思いますが、主体はJRではありません。貨物マニアはみんな大好き衣浦臨海鉄道です。貨物鉄道であれば、通票閉塞方式はまだまだ残っていると思いますが、たいていは部外者立ち入り禁止なので、見ることが困難です。
しかし、ここは違います。
JRの旅客用のホームで行われるので、じっくりと観察をすることが可能なのです。しかも、いまや絶滅寸前である走行中の受け渡しです。タブレット好きの私としては一度訪れておきたいところでしたが、名古屋に住んでいるときに行けずじまいでした。このたび、武豊線の東浦駅と東成岩駅で観察してきましたので、報告いたします。本記事は、貨物マニア、タブレットマニア、配線マニアともに愉しんでいただけます。タブレットの走行中の受け渡しなど、今の時代、単なる保安システムを超えて荘厳な儀式のような様相です。心静かに堪能させていただきました。
衣浦臨海鉄道は武豊線の東浦から碧南市と東成岩から半田埠頭の2系統があります。いちおう貨物時刻表の地図を挙げておきます。
令和時代にまだこんなことやってんの?って思うかもしれません。ただ、自動閉塞などの導入コストを考えると、通票閉塞自体はそれほど不合理ではないように思います。GPSでの閉塞管理が認可されるようになればよっぽど廃止されるかもしれませんが、むこう10年は大丈夫だと思います。
ちなみに衣浦臨海鉄道のHPはおすすめです。トップ画面が車窓の動画になっていていい感じです。
リンク⇒ 衣浦臨海鉄道株式会社|半田埠頭駅から全国へ鉄道コンテナ輸送いたします
1 そもそも通票閉塞とは?
下記の過去歴を見てください。仕組みについては津山の記事が詳しいです。
2 いつ行ったら良いのか?
心配いりません。衣浦臨海鉄道のHPにしっかり出ています。
なお、訪れる際は、上りと下りの両方を見たほうがいいと思います。上りがタブレットを受け取る方で、下りが渡すほうです。今回、私は時間がなかったので、受け取る方しか見ることができませんでした。
撮影はマナーを守って行いましょう。
いちおう貨物時刻表の該当箇所も挙げておきます。
3 東浦駅
一見、無人駅で、誰もいないかと思いきや、直前に駅舎から衣浦臨海鉄道の係員が出てきました。駅舎内に衣浦臨海鉄道の通票閉塞器がおいてあるそうです。そのあと、武豊線の列車到着時はJR東海の駅員も出てきました。
まずは動画でお楽しみいただきましょう。
東浦駅の南方(武豊方)で碧南市方向の貨物線が左に分岐しています。手前の分岐はこの先で途切れています(安全側線?)。信号機は「武豊出」が武豊線出発信号機、「碧南出」が碧南線出発信号機、5角形の信号機は踏切障害用の発光信号機です。
4 東成岩駅
時間のない方は、こちらの駅だけ見ることをお勧めします。というのもこの駅に入ってきた貨物列車はスイッチバック(逆方向に向かう)の必要があり、機回し(機関車の付け替え)を行うので、なかなか迫力があるからです。
まずはお手製の配線図をご覧ください。
半田埠頭(左上)からやってきた貨物はタブレットをホームで落としてからそのまま通り過ぎていったん武豊方向にある引上線に入っていきます(赤色矢印の方向)。その後、機関車だけ機回し線を通って付け替えられて、武豊線の下り列車が発車した直後に大府に向けて発車します(青色矢印)。このときホームには止まりません。
それでは大府から武豊方向に向いて順に配線を追っていきます。
まずは場内信号機通過後です。左から合流するのが衣浦臨海鉄道の半田埠頭からくる貨物線です。
大府方向を向いています。右の建物が信号設備室と運転室です。この小屋の中に通票閉塞器があり、時間になると係員が出てきます。この方は東浦と同じで、武豊線に乗って東成岩に移動していました。
武豊方向を向いています。
武豊方向を向いています。左に分岐していくのが機回し用の引き上げ線です。信号機の下にあるフ型に点灯しているのは進路表示灯でいいと思います。入線する進路が予告されています。
引き上げ線です。進路予告の通り左側に入っていきました。
引き上げ線の終端部です。機関車1両分だけ延びています。3点の信号機は入換信号機です。
配線を理解したところで、動画3本を一気にご覧ください。