旅と鉄道の美学

鉄道を中心とした国内外の旅と切符などについて語ります。

【国内旅行系】 清流という冠は確かだった。錦川鉄道(山口県) 前編

 清流、清流と、やかましい鉄道なのですが、実際にスゴイ綺麗です。これなら、わが地元飯田線といい勝負できますよ(上から目線)。 

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 さて、この鉄道は国鉄岩日線が前身です。上の地図は、左から国鉄時代、3セク化直後、現在を示します。列車は昔も今も岩国まで直通しますが、接続駅は川西です。新幹線接続駅の清流新岩国の旧駅名は御庄(みしょう)です。 

 

 

  おすすめ乗りつぶしルート

 

 ここは規則の話なのでややこしいです。要点だけを知りたい方は赤色を読んでいってください。

 錦川鉄道に行くのであれば、ついでに岩徳線も楽しんでみましょう。普通乗車券を使うのであれば、選択乗車の制度(規157条)を活用すると、効率がいいです。選択乗車というのは指定経路に関わらず、どちらを通っても良いという制度で、ここですと、広島⇔徳山間は山陽本線・新幹線ともどちらを通っても良いことになっています。更にこの場合、途中下車もできます(2枚以上併用する場合はできません。)。

 そして新岩国と岩国が同一の駅としてみなされる関係上、新岩国で下車しても、岩国から乗車可能なのです。さらに面白いのは、岩国から先です。選択乗車の制度からすると山陽本線を通る必要がありますが、更に特例があって、運賃計算上、山陽本線を経由しても岩徳線経由で積算することになっているうえ、経路の指定をおこないません(規69条)。まとめると、広島⇔徳山間は、券面の経由に関係なく山陽新幹線でも、山陽本線でも、岩徳線でも、どれを通っても良いのです。

 まったく意識したことはないと思いますが、山陽新幹線に乗っているときの、広島⇔徳山間は、岩徳線経由で運賃が計算されており、それが山陽本線に用いられて、更に山陽新幹線に用いられているという歴史が隠れているのです。小さいですが、時刻表の欄外の表示はそれを意味します。「運賃計算キロ」が岩徳線経由です。大昔に山陽本線の一部だった経緯が感じ取れますね。

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 以上の特例を駆使して、大阪市内⇒福岡市内の乗車券の例でいきますと、下記のようなルートがベストです。 

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 この場合、上述の理由から青色部分は、手持ちの乗車券で利用することができ、別に購入しないといけないのは、赤色部分だけになります。④は錦川鉄道の列車が直通していますが、JR区間なので注意が必要です。このとき西岩国駅で下車したい場合は、④ではなく、⑤で移動する際に途中下車すれば余計な運賃は必要ありません。

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 本ブログはここで終わりません。上記の赤色部分の乗車券をどう購入するかまで語ります。

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 錦川鉄道には「昼得きっぷ」なるものがあり、客の少ない時間の列車限定でほぼ半額の格安で乗れるのです。しかも、企画乗車券なのに、JR区間の川西⇔岩国も乗れてしまいます。ということは、先ほどの大阪市内⇒福岡市内の乗車券をもっていたら、+1000円だけで錦町まで往復できてしまいびっくりするほどお買い得です。但し、次のようにハードルが高いです。

 ●購入箇所が限定されている。あるいは事前連絡が必要。

 ●途中下車ができない。 

 リンク⇒ 昼得きっぷ – 錦川鉄道株式会社

 

 さらに補足します。この乗車券は、錦町駅だけではなく、岩国城のロープウェイでも売られているので、新岩国駅から岩国城に行ってこの乗車券を購入し、錦帯橋をみたら清流新岩国駅にもどって錦町に向かえばいいのです。

 

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 では、途中下車が可能な「1日フリーきっぷ」はどうか。川西⇔錦町間で2000円ですよね(岩国までは乗れない!)。普通に買うと片道が980円なので、あまりお買い得感はありません。途中下車をしないのであれば、損をしてしまいます。しかも1日しか有効ではないので、泊まりにできません。

 

 こうなると、いつもの101キロ以上のJR連絡乗車券を使って途中下車しよう計画って話になるのですが(※制度の詳細は下記の記事)、錦川鉄道の場合は、売れる範囲がかなり限定されていて、101キロ以上可能な駅は西条、防府新山口、呉に限られてきます。これも現実的ではないですね。ちなみに新岩国は連絡乗車券の接続駅ではないので、ここを経由してもまとめて購入はできません。

 ただ、やり方次第では便利です。東方向なら西条、西方向なら防府まで買っておいて、あとで乗り越せばいいと思います。その先は打ち切り計算になるので、西条もしくは防府から目的地まで購入した運賃を別にとられます。乗り越しは車内でも途中駅でもできるので、西条や防府で実際に降りる必要はありません。

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 逆に購入することも可能です。例えば、大阪市内⇒西条の乗車券を購入しておいて、車掌や途中駅(広島など)で錦町までの乗り越しを申告すれば、101キロ以上の別途乗車券が作成されますので、往路で途中下車が可能です。大阪市内⇒西条の乗車券が101キロ以上あるので、乗り越しても西条で運賃計算を打ち切られるからです。 

 あまり需要の無い買い方なので、「いったん川西まで売るので、錦町で降りるときに精算してください」と言われる可能性がありますが(※)、「途中下車しながら錦町まで行きたいので、西条から連絡乗車券を通しで売ってください」と明確に伝えてください。こうすれば、セノハチで有名な八本松や瀬野、広島、岩国、西岩国、川西などに加えて錦川鉄道線内でも途中下車していけますからフリー切符を購入するより経済的かもしれません。

 ※岩国で精算してくださいと言われたら、岩国⇔川西間を余計に支払う可能性もあり、不適切な案内になります。

 

 

  おすすめ臨時列車

 

 普段の錦川鉄道の列車は上記の通りですが、臨時でキハ40を用いて運行されるのは注目です。さらに北河内駅で入れ替え作業などはいい感じです。タラコ色のキハ40なら国鉄末期の岩日線感がバリバリでてますね。

 リンク⇒ 秘境駅ハーフ列車 – 錦川鉄道株式会社

 

 

  岩国駅

  

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 岩国駅のコンビニで良さげな時刻表を発見したので購入しました。ちなみにこのテーブルは車内の各座席に着いているものです。

 乗車券はご覧の通り岩国⇔川西間がJR計算のため高いです。井原鉄道の清音⇔総社(※)のようにはいきません。まあ会社が違うので、これが普通なんですが。

 ※⇒【国内旅行系】 文房具店のチケットカウンターに復興を感じる 井原鉄道・吉備真備駅(岡山県) - 旅と鉄道の美学

 

 

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 JRのホームからは少し歩きます。

 

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 0番線から発車です。となりは岩徳線の列車です。

 

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 高校生もいて、総勢10名ほどで発車しましたが、終点では3名しか残っていませんでした。どちらに乗車すればいいかですが、右側でいいと思います。

 

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 車内にスタンプがあるので、お忘れなく。

 

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 枕カバーが地図になっています。

 

  西岩国駅

 

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 これはJR岩徳線西岩国駅なのですが、やけに構内が広いし、駅舎があまりに立派で気になりました。帰って調べたら、昔の岩国駅だったんですね。ここでも山陽本線だった歴史がうかがえます。

 

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 木製の扉などに注目です。この駅は降りる価値がありますよ。次回、岩徳線に乗車したら降りてみようと思います。

 

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 西岩国を出てすぐです。河口に近い場所なのですが、すごくきれいです。ここに住んでいたら、絶対、ボートで川下りをしたと思います。この右奥が錦帯橋です。

 

  川西駅

 

 錦帯橋最寄駅です。1キロちょっとぐらいです。

 

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 小さいころから気になっていた川西駅です。片隅に切符売り場らしきあとがあります。なお、この駅は交換はできません。

 

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 錦川鉄道営業キロ起点です。

 

  森ヶ原信号場

 

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 配線マニアさん向けに分岐点の画像です。ここは川西駅からトンネルをくぐって、だいぶ西にいったところにあります。左が岩徳線櫛ヶ浜方向です。

 

 

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 土砂くずれのあとです。ニュースにもなっていた場所だと思います。

 

 

  清流新岩国駅

 

 新幹線にここで乗り換え可能です。むかしは「御庄」といって、まったく接続駅を意識させない駅名だったので、マニアと地元民だけが知っている駅でした。

 

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 駅舎は車掌車を使っています。上に旧駅名が見えますね。

 

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 内部です。

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 昔は行き違いが可能な駅だったようです。

 

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 降りたら左に曲がります。

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 新幹線の高架下をたどります。

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 先は長いです。

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 歩いてきた道です。

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 新岩国駅北口です。駅レンタカーもありますね。駅はデカいんですけど、構内がスカスカでさびしい限りです。山陽新幹線開通時の栄華が完全に失われています。

 

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 ここからは信号マニアさん向けのお話です。上の写真は清流新岩国駅から川西駅方向を向いた写真です。上り列車が当駅に到着した時にATSのベルが鳴ったので、交換できない駅でなぜなるのだろうと思ったら、前方を見ると信号機がありました。運転士に質問すると、出発信号機ではなく、場内信号機とのことです。発車も迫っていたので、そこから先の詳しい話はききませんでしたが、どこの場内信号機なんだろうな~と疑問におもいつつ、この駅を後にしました。

 岩徳線との分岐点である森ヶ原信号場の場内信号機にしては距離がありすぎます。あとでいろいろ調べると、新岩国駅構内に分岐線が延びているため、どうもそれ用の信号機のようです。でも、めったに使わないような分岐線なのに、列車到着時に本線側が赤になっていたのはなんでだろうか。。。