いよいよ本編です。見どころはいろいろありますが、気になったところのみ。規模はむかし飯田線の中部天竜駅にあった佐久間レールパークや小樽市総合博物館ぐらいです。
いきなり扇形車庫が登場します。手前に駐車場がありますので、車でも便利です。
さっそく受付ですが、D型っぽい入場券と古い日付印字機(菅沼タイプライター製)です。改札鋏もあります。
これは津山駅のわたしの旅スタンプ台を持って来たようですが、色が塗られているためオリジナルではありません。オリジナルは下の記事の久里浜駅をご覧ください。
硬券の入場券とパンフです。スタンプ帳はコインロッカーに預けたため、やむをえずパンフに押しました。
これはおもしろい。ダイヤ式の時刻表です。鉄道ダイヤ情報みたいです。
裏をみると、市販品のようですが、こんなもの一般の人が買ったんかいな。
扇形機関庫の前面です。
煙ですすけた天井をじっくり見てください。
転車台です。
気になるのは接続部分ですね。ちゃんとロックがかかるようになっていますが、ここはレールの隙間がけっこうありますね。
これは非常にめずらしい。回転式の乗車券箱ですよ。ハンコ屋にある回転する認印の棚みたいになっています。
改札用のスタンパーです。駅員時代のシフトはいつも24時をまたいでいたので、日付の交換をした経験があります。数字が小さいのでピンセットではさんで交換するのですが、落として机の下に入ると大変でした。せっかくなので金属製の改札鋏も置いてほしかった。穴をあけてワイヤーをとおせば盗難防止措置も施せると思うので。
通票閉塞器です。この博物館の最大の魅力です(個人的に)。置いてあるだけでなくて、きちんと閉塞が組まれていて、現役で動くことです。実際に説明をうけながら片方の当務駅長役になって作業を行いました。電話機も使えるので、「閉塞承知!」とか、きちんと言いました。タブレットを確認するときは、駅員時代の癖で思わず指差し確認をしながら「ツウヒョウサンカク」と言いましたw。結構、プロっぽい動きをしていた自信があります。
タブレット好きの吾輩としては、体験できて大満足でした。あとは列車の窓から通過授受をやりたい!
上の音が出る部分です。音もとってきましたので、下記をご覧ください。
さて、ここで衝突を防ぐだけなら、べつに機械を使わなくても、タブレットが往復すればいいだけではないかと思うでしょう。実際に現在の名松線や越美北線などはそのような形です(正確にはスタフ閉塞あるいは票券閉塞)。しかし、片方の駅にタブレットが移動してしまったら、車でもって帰るなどしないと同じ方向に続けて列車は走らせられないので、電気的に隣の駅と一体化したこのような設備が必要になるのです。本体に両方で24個のタブレットが入っているので、片方にかためてあれば理論上23本の後続列車を行かせられますね(実際は同じ量にする。)。むかし飯田線の浦川駅のホームで一輪車に載せられた大量のタブレットキャリアーを見たことがありますが、今思えば続行運転で偏ったタブレットを戻すシーンだったと思い起こされます。
なお、JRで上越線の一部区間が災害で単線運転になったときがありますが、そのときは何と通票閉塞器が登場しました。続行運転の必要がある路線だからでしょう。
災害時の人間タブレットといわれる指導式なども有名ですね。人間がタブレットの代わりになって行ったり来たりするわけです。これは事故などで一時的に単線運転になった私鉄でよく目にします。youtubeで代用閉塞などと入れると事例が出てきます。
通票閉塞式の理屈は下記の通りです。隣りあう駅の機械を一体として考えるのがポイントです。これを2台バラバラで考えると頭が混乱します。駅ごとではなく、閉塞ごとに考えるわけですね。
なお、玉(タブレット)は4種(●▲■楕円)ありました。田川伊田や田川後藤寺みたいに隣の駅が4駅あった場合は同じ種類の玉は危なくて使えないですからね。では、隣が5駅あったらどうなのか気になると思いますが、たぶん国鉄にはなかったと思います。
(22.11.30訂正 ありました唐津線が岸嶽まで通じていた当時の山本駅です)
(23.9.16訂正 山本・岸嶽間は送信閉塞式と判明。)
小学生のときの自由研究で閉塞をテーマにしようとして挫折した理由が上記の理論部分です。小学生では理解できませんでした。しかし、実際にタブレットの通過授受は自宅で再現してみました。畑のあぜ道に授受器(下記参照)をお手製で作製し、自転車で猛スピードで通過して作業を行うのです。日曜大工が得意な祖父と一緒に作りました。いま、そのシーンをyoutubeでアップしたらそこそこの回数に行くのではなかろうかと思うぐらい精巧な出来なのですが、写真すら残ってないです。
ちなみに飯田線で使われていたタイプはこれです。天竜二俣に残っています。
少し壊れていますが、ワイヤーでつってあって、タブレットが外れると中に収納される仕組みになっていて、結構な動作音がします。
こちらは受ける方です(天竜二俣駅)。
すぐ横に腕木式信号機ですが、動きません。
個人的な意見ですが、せっかく通票閉塞器が動くのであれば、腕木式信号機も実際に動かせるようにして、ガチの当務駅長体験ができるようにしたら面白いですね。例えばミニSLなどで単線運転を行って両端の駅に通票閉塞器を置いて、実際に体験させたら鉄道保安設備の重要性などがわかってよいでしょう。