旅と鉄道の美学

鉄道を中心とした国内外の旅と切符などについて語ります。

【コラム】 時刻表を愉しむ。 その7 (旅館での恐怖体験)

 いつの間にかなくなっていたホテル旅館リストです。思い出したので、一記事追加します。昔は、最後にタウンページみたいな黄色のページがあり、旅館やホテルのリストがついていました。

 

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  これがそうです。当時はネットなどはありませんので、時刻表かガイドブックで調べて自分で電話するか、旅行会社で予約するといった方法しかありませんでした。しかも、未収金リスクをなくすため、預り金を要求してくる場合もあり、書留であらかじめ現金を送る必要もありました。いまはクレジットカードのデポジットがそれの代わりですね。

 若い方は旅館を探す苦労などわからないでしょう。でも、旅好きにはこの過程からの苦労が面白いのです。室内写真もないので、はずれだったり、当たりだったりと悲喜こもごもでした。高校生の時に玄武洞の旅館にとまったときは、襖1枚で仕切られた隣の部屋に女子大学生のグループが泊まっていて妙に気になったりもしました。

 

 さて、私の祖父は元公務員で、共済組合協定旅館リストなるものを持っていて、格安で泊まれるので、それで探していました。一緒に旅行に行くとき、当時の私は旅館に興味はないので、そこは祖父にお任せです。あれは意外と優れていましたよ。全国の主だった温泉地はほとんどカバーしていて、中級レベルの旅館が中心に載っていたのでちょうどよかったです。

 ちなみに、某私鉄で駅員をやっていたときは、バイトなんですが共済組合に入ることができて、そこの協定旅館に安く泊まれたので、ときどき利用していました。しかも、僅少ながら退職慰労金も支給されました。

  大手の会社や公務員の方は、共済組合に相談すると、格安で泊まれたりするかもしれませんので聞いてみてください。

 

 他には、新聞の勧誘員が旅館の割引券を持ってくるパターンもありました。全国で100ぐらいのリストが載っていて、半額ぐらいになったと思います。期間が合わなかったので友達に上げてしまいました。学生なのに松島海岸の高級旅館に半額で泊まったようで喜んでいました。

 

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 これはリストの記載例です。北海道旅行で泊まった倶知安駅前の「ビジネス駅前ホテル」を挙げておきます。名前にまったくひねりがないですね。昭和63年版で3600円です。RCはルームチャージです。現在の2食付はオプションのイメージがありますが、当時の旅館シリーズでは2食付がデフォで、外す場合は特別にリクエストする形になっていましたので、飯なしや夕食なしが特記事項となっていました。

 7年前に倶知安にいったら、外国人が増えて大変なことになっていましたが、このホテルに変化はありませんでした。内装も普通なので、リーズナブルといえます。学生さんの北海道旅行にはいいのではないでしょうか。

 

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 これが泊まったときの写真です。VHS画像からのキャプチャーなのでちょっと荒いです。1Fにパチンコ屋はありましたが、うるさくはなかったです。当時、晩飯を食えるところがなくて探し回っていたら、近くに有名な松尾ジンギスカンの店があって食べた思い出があります。うまかったですね。7年前にいったときは、もうありませんでした。残念です。

 

 ちなみに、この北海道旅行ではホテルなどに泊まらずに全行程を夜行列車で踏破する予定でしたが、どうしても函館本線区間はうまくいかずに泊まる羽目なりました。

 

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 今の状況です。外壁の補修はしてありますが、昔のままです。

 

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 最後に、最悪の旅館の話でもしておきましょう。某都市の木造旅館です。外見はボロボロで、ちょうど京大の吉田寮のような感じでした。怖いもの見たさで泊まったのですが、期待通りで、他に客はいなさそうなのです。廊下の奥は倉庫状態になっているし、風呂は壊れているというのです。普通はここでキャンセルするのでしょうが、旅師のスイッチが入ってしまいました。不気味さも味合うことが肝要と心得て、泊まることとしました。しかも5000円ですわ。

 その後、晩飯を食って戻ると、一部屋だけ明かりが漏れていて、15センチぐらい襖があいていたので、通りがかりに中が見えました。ごみがふた山になっていて、ちょうどその峡谷に挟まる形でバアサンが寝てました。???となりつつ自室に戻った次第。

  びっくりしたのは、寝る前に歯磨きをしにいったときです。洗面所に水がためてあって、汚物が浮いていて、すごく臭いのです。ここまでくると、リアルつげ義春ですよ。私は歯ブラシをもったまま、顎が外れそうでした。結局、歯磨きもせずに、この旅館は何かがおかしいと、ちょっとビビりながらも、とっとと寝ました。

 

 翌朝、女将に事情を聴くと、女将のお母さんが認知症のようで、ときどき変な行動をするとのこと。しかも私が泊まった近くの部屋に住んでいるらしいのです。部屋に鍵はなかったし、入ってこられなくてよかったわ~って思いました。

 

 まあ、この体験もサービスチャージと納得させて、呆れながらも、笑いながら旅館を後にしました。普通に考えたらカプセルホテルの方がましでしたね。

 最近、まだあるのか確認したらさすがにマンションに建て変わっていました。