旅と鉄道の美学

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【営業規則系】 フリー切符がわりに使える西日本鉄道(福岡県)の乗車券。島原鉄道(長崎県)はもっとすごかった。

 おじい様方もご存じ西鉄ライオンズでおなじみだった西日本鉄道です。

 

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 昭和42年製のこんな列車も走っています(貝塚線)。寿命も短いと思いますので、乗っておいた方がいいですよ~。 

 

 

 さて、少し前に手売りの乗車券(特殊補充券)を購入したところ、面白い文言が目に入りました。

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 表はパッと見、普通ですわ。

 

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 裏を見たら、「17キロメートルまでの区間のものは途中下車されると前途は無効となります。」とあります。ということは17キロを超えたら、途中下車し放題やん?

 

 この文言は生きているのだろうか?さっそく、お客様センターに電話してみたところ、即答で可能とのこと。その場合は、途中下車される駅で途中下車印を押させていただきまして1回だけ可能という実に丁寧な回答です。よく見たら表面に途中下車印を押すところもある。ちょっとググってみたら、普通に券売機の乗車券に途中下車印が押されたものも出てきました。

 ちなみに、前段のJR連絡乗車券の文言は、むかし大牟田接続の大宰府方面だけあったのですが、すでに廃止になっています。

 

 券売機で発行された乗車券を見ると、当日限りとあるが、途中下車前途無効とは明記されていないのです。以前に福岡に1年半も住んでいて西鉄もだいぶ乗りましたが、気づかなかったです。そもそも、本州の人からしたら、西鉄に途中下車の制度があるという発想すら出てこないですよ。

  時刻表で距離を確認すると、西鉄福岡→大宰府でギリ可能です。

 これはフリー切符代わりに使いまくれますね。チビチビ買っていた自分がバカやった。ちなみに往復乗車券や連続乗車券(たぶん面倒なので嫌がられる。)で購入すれば2日間有効になりますね。

 

 ※2019/08/25追記

 連続乗車券の購入を試みてみましたが、制度としては残っているものの、運用上、発行していないとのことでした。往復乗車券は購入可能です。

  

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 これが途中下車可能な乗車券で途中下車した例です。券売機の乗車券では、数年で文字が消えてしまうので、長期保管したい方は上のような改札補充券(レーザープリンタ出力)を改札口で発行してもらうといいと思います。ちなみに上の乗車券は宮の陣と久留米が重複乗車になっているにもかかわらず、1枚で発行されており、ちょっと不思議です。たずねたら、特急への乗り換えや久留米での買い物の需要に対応して、特例措置として通しで距離計算をしているとのことでした。

 

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 ここで終わらないのが本ブログのウリです。なんと島原鉄道は距離制限なしで途中下車が可能なのです(着駅と同じ運賃の駅は不可)。これはもっと便利ですよ。確かに次の記事で取り上げた乗車券に「下車前途無効」とは記載されていなかったですね。

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 これは券売機で購入した乗車券です。途中の本諫早で途中下車しましたが、途中下車印はないとのことでした。

 

 ちなみに島原鉄道はこんな感じです。島原城などを見て、船で熊本に渡るのがおすすめルートでしょう。インスタ蝿さんたちは大三東に下車するのも忘れずに。

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 この乗車券などがお勧めです(船→バス→電車のセット)。島原鉄道の船ですわ。つまり鉄道会社の船!これで西鉄福岡まで購入すれば、西鉄で途中下車もできるし、便利ですね。

 私もいつもの信条通り、「往った道は戻らない」精神で、船に乗ってきました。名古屋の婚礼家具のトラックみたいなものですね。バックしないと。

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 終点の島原外港駅で降りてください。静かな無人駅です。

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 少し歩くとフェリーターミナルです。

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 わたしは熊本に向かい、寝台特急はやぶさで帰ってきました。


 

 なお、近江鉄道も以前は同様に途中下車がどこでもできましたが、最近、なくなってしまったようで非常に残念です。

 

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 ちなみにJRの大昔(鉄道院などの時代)は、途中下車が無限にできるようになっていました。ちょっとカビ臭い昭和25年発行『旅客運送制度の研究』を開いてみます。

 

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 大正5年5月まで:特定の駅のみ途中下車を認めていた。

 大正5年5月から:距離により下車できる回数を決めた(80キロまでは1回など)

 昭和7年8月から:無制限

 この先は51キロ以上、101キロ以上と距離が延びて、現在に至るようですが、手元の資料では時期などは確定できませんでした。