今回は下のような普通列車用のグリーン券にまつわるお話です。
これは大垣夜行用の硬券のグリーン券です。当時は101キロ以上が同じ金額なので、東京までも1700円でいけました。 税1割共というのは通行税が入っていることを示します。いまはこの税金はありません。
さて、通常、グリーン券といえば、その列車だけですが、例外規定があります。下記はJTBの時刻表からの抜粋です。「首都圏エリア相互区間内の快速・普通列車のグリーン車(自由席)を同一方向に乗り継ぐ場合は、改札口を出なければ1枚のグリーン券で乗車できます。」とあります。
つまり、途中下車しなければ何度乗り降りしてもグリーン料金は通しで計算されるということです。これは覚えておいて損はない規定ですよね。例えば、東京駅近くに会社があった場合、小田原の営業先に行って、津田沼の自宅に直帰するのであれば、グリーン車に乗って優雅に帰宅できるわけです。51キロ以上は同じ金額なので、東京で下りようと、津田沼で下りようと同じなわけです。それに定期券でも利用できます。
リンク⇒JR東日本 普通列車グリーン車:JR東日本
リンク⇒JR東日本 1枚のグリーン券で2つの列車のグリーン車を乗り継ぐことができますか? | よくいただくお問い合わせ:東日本旅客鉄道株式会社
それから、基本ですが、グリーン券は車内で購入すると高いので、乗車前に購入しましょう。また、満席で座れない場合は、車掌に申し出て未使用証明をもらっておくと、払い戻しがスムーズです。
これが未使用証の事例です。このときは在来線の自由席特急券なので、不正払戻し(※)を疑われないように念のため発行してもらったのですが、不要でした。
※使用したにも関わらず、車掌の検札印が無いことを悪用して有効期間内に払い戻す不正行為。特急の下車駅近くの駅で払い戻しを申し出るとかなりの確率で疑われて気分が悪くなります。
激しくグリーン車を利用したい方はグリーン定期券を利用しましょう。快適に通勤できるので意外とありだと思います。
リンク⇒ グリーン車システムのご利用方法|普通車グリーン券の利用|利用方法|Suica:JR東日本
★ ★
ここで終わらないのが、本ブログのウリです。 こういった規則があると、相変わらず限界に挑戦しようとするのが旅師の習性です。
上段は、大垣夜行があったころの普通の客の買い方です。平成生まれには、これすら歴史上のグリーン券に思えるかもしれませんね。
下段は少し極端な例ですが、名古屋から大垣夜行で東京に向かって、東京駅で乗り換えて空港第2ビル(成田空港)まで行くため1枚のグリーン券として発行してもらったものです。金額が同じところに注目してください。当時も冒頭と類似の規則があり、最高額は1860円なので、通しで買ってみたのです。
JR東海のエリアだったので、駅員さんはこの制度を知らず、発行時に議論になりました。いまはこのような列車はないので購入することはできません。意図せずに貴重なグリーン券になってしまいました。ちなみにこのグリーン券は感熱ではなく、熱転写(昔のワープロのインクリボン方式)なので、文字が消えることはありません。
また、検札の痕もおもしろいですね。総武線の成田車掌区はスタンプですが、大垣夜行の名古屋車掌区は、昔ながらのエンボスの検札鋏をつかっています。桜印に「い」です。
これが本物の鋏です。駅員ではなく、車掌が持っていたものです。東武鉄道がだいぶあとまで使用していたようですが、もう使っている鉄道会社はないと思います。
この当時、大垣夜行を使って最長でどこまでグリーン券が1枚で作れるか確認したところ、大垣(岐阜県)⇒大原(千葉県)でした。グリーン車連結の快速列車が最長で大原まで行く時期があったのです。いちどチャレンジしてみたかったのですが、大原行の列車が昼ぐらいにしかなったので、アホ臭くなってやめました。改札を出られないので、乗換時にやることがないんですよね。上総一ノ宮行なら今と同様に朝から何本も出ていたのですが、2番じゃダメですから。
なお、現在の最長は、沼津⇔高萩になるようです。
沼津18:08 → 品川20:18
品川20:24 → 高萩0:07
乗換は品川、東京、上野で可能ですが、席を確保する意味において、品川がベストでしょう。逆は接続がうまくいかず3時間ぐらいあいてしまいます。距離は黒磯⇔高萩が最長ですが、東北本線と常磐線のグリーン券が上野で打ち切りになってしまうので1枚にできません。 よかったら、YouTubeネタにでも使ってください。
★ ★
更に回数券はないのか?といった質問も出てきそうですね。もうありません。かつては、昼の空いている時間限定でお得なデータイムグリーン料金回数券や普通回数券がありました。「G」ですから、ゴルゴ13が電車で移動するときは、このチケットを使用することになります。