旅と鉄道の美学

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【コラム】 日韓共同きっぷのフェリー券から加治隆介の議を語る。

 部屋を掃除すると、いろいろな物が出てきます。

 下記の記事でとりあげた日韓共同切符のうちフェリー部分のコピーした物がでてきましたので、参考にアップしておきます。現場でお願いしまくったけど、もらえなかったやつです。

 

 

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窓口でこれに交換します

 券面上、関釜フェリーが日本籍、釜関フェリー韓国籍です。航行する船の所属によって乗船券の運送機関と国籍が変わってきます。

 

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釜関フェリーパンフ

 

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 ここで終わらないのが、本ブログのウリです。よく国際刑法などで問題になる点です。日本人以外の犯罪(被害者も外国人)が起きた場合でも、関釜フェリーなら日本の刑法が適用されるのですが、釜関フェリーでは韓国の刑法の適用になってしまいますね。具体的には関釜フェリーの場合は船長が特別司法警察職員なので、船上の警察権を行使することができることになりますが、釜関フェリーでは韓国法に従うことになるようです。

 

 そのあたりの船籍の差による政治的な問題を描いたものとして『加治隆介の議』9巻を思い出しました。大学生時代にこの漫画を読んで、政治の理想と現実を考えさせられるいい本だな~って感じたことがありました。主人公が女にだらしない点はイラッときましたがね。

 内容は関釜フェリーではなく、韓国籍釜関フェリー北朝鮮工作船に襲われているときに日本の自衛隊が援護できるのか?という問題提起でした。政治学科志望の学生は入学前に読むことをおすすめします。特に2巻ぐらいだったと思いますが、地元利益誘導型の政治を排して、国益優先型の政治を前面に押し出したところ、田舎でトマトをぶつけられるという事件が描かれており、興味深いですね。多かれ少なかれ、どこの田舎でも見聞きするような話でした。いまだに新幹線礼賛の雰囲気が漂う地方は本当にそれが幸福なのかきちんと考える必要があるでしょう。

 時代がたっても陳腐化していない良いマンガだと思います。

 この先は読んでのお楽しみということで。 

加治隆介の議 (9) (ミスターマガジンKC (87))

加治隆介の議 (9) (ミスターマガジンKC (87))